第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、ハッとさせられる「組み合わせ」のお話。
ドワネルでの鈴木恭子さんの "Toadstools(毒キノコ)"展を見に行ってふと手に取った Ichendorf のワイングラスとクリーマー。
手吹きで製作されているせいか、シンプルでモダンなフォルムだけれど冷たくありません。何気なさそうでクール、おっとりした雰囲気を持っています。ガラスに、ほんのほんの少しだけ色があるのも好きです。
この Ichendorf のワイングラス、二子玉川高島屋にオープンした CLASKA Gallery & Shop "DO" のお店の棚にいくつか並んでいるのを見つけました!
毒キノコは陶器で作られていますが、どれも繊細な優しさを見せていて、不思議な恐さにしばらく後で気づくような・・・スリルある展覧会でした。
昨年末、明治通りを神宮前交差点から渋谷方向へ歩いていて見つけた Aēsop の店。(2018年11月27日、リニューアルオープンしたのだそうです。)
昔よく見たトタン屋根みたいな、メタルのラフな表情がカッコいい。Aēsop の文字が入った半月形、ガラスと合わせた壁面の長方形、植物を植えた鉢カバーの円筒形の構成も面白くて、それ以降、この前を通るたびに目が吸い寄せられるのを感じます。
Aēsop のアイテムでは、ハンドソープを時々使っています。マンダリンの皮とローズマリー、Cedar Atlas(ヒマラヤスギ)の香りはしっかりインパクトがあるので、普段は穏やかな石鹸、魚料理を作った後などはこちらで洗うことに。一瞬で世界が変わるような香りが新鮮です。
朝、カメラの機能チェックをしていて、ふと撮れた写真です。
上に見えているのは松林誠さんの絵、手前は昔、代官山の“ペーパーウェイト”で購入した靴ベラ、その下にチラッと見えているのは CALDER の本 ──── バナナの黄色とそれぞれが、何だか素敵な組み合わせに思えました。
色と形、質感の、こんな組み合わせを見つけられて、ちょっと嬉しかったです。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2019年6月21日 公開
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