第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。紙のもの、文字のデザインがお好きな堀井さん。なかなか捨てられないものがあります。
我家のウォークインクローゼットは、洋服より紙ものの方が多く収納されています。クローゼットの棚の奥は、しょっちゅう出し入れをするわけではないので、たまに探しものをしている時、段ボール箱を開けてびっくり・・・ということも。
引っ越しや整理をくり返しても、捨てられなかった、紙のショッピングバッグその1は、比較的大きいサイズ。
一番上の列中央は、大分県別府のギャラリー "ANTWERP" のバッグ。私はこの地図と数字のデザインが、ものすごく好きで、手に入れたもう1袋をカットして額に入れ、図書室に飾っています。
右端の Hervé Chapelier の紙のグレーは、とても雰囲気があります。
一番下の列右端は、コペンハーゲンの "Paustian" のもの。20年前の旅行の折、リトアニア製のリネンの織地柄、オフホワイトのテーブルクロスを買って入れてもらいました。この紙袋の黒は、ただの黒じゃないのです。生成り色がかったオフホワイトでストライプの凹凸がある紙に、黒いインクとP.P.か何かをプリントしてあって、文字の色合いも、何とも言えず素敵に感じられます。恐ろしくシンプルな様子でカッコいい紙袋なのです。
左端はマンハッタンの SOHO にあったガラス製品のギャラリーのもの。北欧の作家のガラス器の箱を入れてくれました。透明なビニール袋に文字のプリント ―― このタイプのデザインに、私は弱いです。
右側の CLAUDIE PIERLOT のバッグは、下北沢にお店があった頃、白い大きめのボタンが前に並んだ黒のワンピースを買った時のもの。
左側は鈴木マサルさんのお店 "UNPIATTO" のもの。
その2は、やや小さいサイズ。
一番上の列左端は南仏マーグ美術館のミュージアムショップのもの。ここを訪れるたびに、いろいろお買物をしているので、この白いビニールに濃紺のロゴの袋は、大小何枚も収ってあります。
LA VIEILLE FRANCE の紙袋は、妹が仙川のお店で買ったお菓子を入れてくれました。その昔、パリのお店でグロゼイユのコンフィチュールの瓶入りがあまりに美しくて、いくつも買ってしまったことを思い出します。
小さいサイズの袋の A.P.C. の文字は、大きいサイズの袋と印象が変わりますね。丈夫な茶色の紙袋に黒の文字だけのデザイン、見飽きないです。
PIERRE HERMÉ の紙袋は、折りたたんであるマチの部分の淡いピンクのトーンが綺麗です。葉の形に抜いた白い面も、きりっとリズミカル。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2017年12月1日 公開
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