第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、晩秋の味わい深い、お菓子のお話。
京都の亀屋良長の“山の幸”というお菓子は、こまっちゃんからの贈りもの。京都のギャラリーの展覧会の時はいつも、こまっちゃんのお昼ごはんで元気をもらっていました。こまっちゃんの料理は、どれも特別においしい。他の誰にも出せない素直な温かい味を、西京極のサンビームというお店で、ご両親と作り続けています。
木の実と葉のイラストの包み紙は、SOU・SOU のデザインです。この包み紙の質感、マットな面に印刷した色の、のり具合が何とも魅力的。
マカダミアナッツの入った羊羹の上に、ドライいちじくやクルミ、柿、手芒豆などをのせてありますが、マカダミアナッツの食感がこんなに羊羹に合うと思っていませんでした。ドライいちじくやクルミの歯ざわりや香ばしさ、柿や手芒豆のシックな味に一体感があって、大人の風味が新鮮です。さすが、食いしんぼうのこまっちゃんのセレクト。
こちらはブーランジェリー・ナイーフのパネトーネ。シンプルなパンを時々買いに行きますが、どのパンも発酵の具合が洗練されていて、好きだなぁと感じています。この夏、ショーケースの上に季節の桃入りパネトーネを見つけ、買ってみたかったのですが、決心がつかないまま秋に。秋はりんごとシナモン入りの、ややブラウンがかったパネトーネに変わって、おいしそうでしたが、シナモンが苦手な人がいるので諦め、定番のレーズンとオレンジピール入りの方を買いました。
説明書き通りに、ふわりと温めて一切れいただきましたが、イースト発酵の具合が素敵で、優しい香り。ヨーロッパ旅行の時に出会ったパンのいい味を思い出して、嬉しくなりました。
スウェーデン、コスタボーダ社のガラス器とコルクのセット。Signe Persson-Melin がデザインしたもので、中にヨーロッパ旅行のお土産の角砂糖を入れてあります。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
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2017年11月17日 公開
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