第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、大切にされているコレクションから教えていただきました。
美術館やギャラリー、書店、文房具・雑貨店を訪ねると、ポストカードを必ず探してしまいます。
すごく気に入った2・3種類のカード、同じものを5枚くらい買います。展覧会の感想や近況を友人に書いて送り、残りはコレクションファイルに収っておくことが多いです。
1984年から3年間、アメリカで暮らしましたが、その頃 MoMA やホイットニー美術館で買ったカルダーやピカソのカード、旅先のサンタ・フェの風景やマルティニーク島の料理のカードなど、1枚1枚見ていると、旅行の時のドキドキが戻ってきます。
左上は Miro の "L'été"。手描の文字が跳(おど)っています。墨色一色ですが、“夏”の楽しさに溢れていて素敵です。右上は HENRI MATISSE の "Verve"。この作品を見てから、この緑が大好きになりました。右下は Philippe Weisbecker の銀座での展覧会の時のカード。CLASKA Gallery & Shop "DO" の今年の展で、初めて絵を買いました。
左は ROBERT MOTHERWELL の "IN WHITE AND OCHRE"。モノクロームなのに色が伝わってくる気がします。右は LAURENT DE BRUNHOFF の "BABAR À HOLLYWOOD"。格子のスーツ姿にぐっときます。
昔、アナログのカメラで撮った写真を印刷したカードです。上2枚はアメリカに住んでいる頃に、下はフランスの田舎町で撮影しました。
あーこれはね・・・・・・と思い出を辿り始めると停まらなくなるポストカード。他にもまだまだ面白いものがあるので、また機会を見つけましたら。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2016年9月2日 公開