第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、洋の東西を問わず魅かれ続けるものについて。
素直な表情で飄々とした温かいフォルムのカゴに魅かれます。年月を経て木の色が深くなると、美しいなぁとさらに大切に想うようになります。
このリトアニアの松のカゴは、のんびりした丸い形が気に入って、LTshop で買いました。松の木の根やヘーゼルナッツで編まれた様々なカゴが並んでいましたが、一番シンプルなひとつを選びました。
こちらは盛岡の光原社で購入した竹の手提げカゴです。ふっくらとした形、軽快な編み方で優しい印象ですが、中に入れたものをしっかりガードしてくれる構造が頼もしい。焼きたての食パンや8月の桃を買っても大丈夫。
8月に出回るカリッと硬めの歯ごたえの桃が好きで、見つけると必ず買ってしまいます。コッペパンタイプの自家製パンや山型パンの耳の部分にバターを塗って、切り分けた桃と口へ運びます。真夏には、ちょっとだけ冷やしたガメイの赤ワインを飲みながら、次の野菜料理を待つ、そんな夕暮れからの食事もおすすめです。
DO での展示会の時に製作した格子柄グレーのテーブルクロスは、何回か洗ううちに、自然でサラッとした風合いになりました。上にのせたものがカッコよく目に映るような気がして嬉しいです。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2017年8月18日 公開
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