第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。堀井さんがこの春、定点撮影を楽しまれたものとは・・・。
夕暮れから夜へ、街の色がブルーグレーからダークブルーへと変化していくのを見るのが好きです。特に初夏の頃の夜景は、新緑も含め、ぼーっと霞むようなやわらかいトーンで、時間の経過と共にビルのライトが点灯し始める様子も、素敵に感じます。
アメリカで住んでいたのがニュージャージー州のアパートの14階でした。東側に大きく横長に取った窓から遠くにマンハッタンが見え、夜は、空にアーチを描く飛行機やヘリコプターの光の跡を追っていると飽きませんでした。マンハッタンのエンパイアステートビルのイルミネーションは、行事に合わせて色を変え、かなり距離があるはずなのに、その日その夜の街の鼓動を伝えてくるようでした。
写真のビルのイルミネーションは、ブルーや艶やかな紫、濃いピンクなど、だいたい1年ごとに色を変えています。(夜10時に建物の色のライトは消えますが。)
今年、桜が満開の数日、各色を2〜3秒見せてから、ストライプと桜の表現に続く構成に。ネオンの各色がとても魅力的だったので、デジタルカメラのシャッターをせっせと押してみました。
少し離れた、真横からのアングルは、夜が進んでいく様子が、ストーリーのある絵のように捕えられ、記憶にしっかり残せる気がしました。
絵本の“小さいおうち”みたいなパッケージのサブレは、メゾン ロミ・ユニで姪が見つけて贈ってくれたもの。
手前の2枚はジャージー・バタービスケット。英国・ジャージー島のバターを使ったビスケットだそうです。バターと粉、砂糖のバランスが絶妙で、カリッと凛々しいくらい香ばしい。
丸い形のバター・ガレットは佐渡バター、細長いショートブレッドは町村農場のバターを使っていると説明書きにありました。バターを変えて作っているのが新鮮で、このサブレを選んでくれた姪に感謝しています。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2018年5月4日 公開
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