堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」連載タイトル

コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。明るく爽やかな彩りに、春の心が躍ります。

第46回:チョコレート/本/銀色のトート

チョコレート

Le chocolat des Français のヘーゼルナッツプラリネ入りのミルクチョコレート。ナポレオンがバゲットを抱えている、Axelle Doppelt のイラストに魅かれて買いました。

Le chocolat des Français は2014年に誕生したブランドで、カカオバター100%で保存料無添加の上質な板チョコレートを手作りしているそう。50人ものアーティストに依頼したパッケージデザイン ―― 全部見てみたくなりますね。

板チョコレートですが、何だか一冊の絵本のような存在感があります。本棚の上で撮影しました。

本

チョコレートの下は、"LES EXPLOITS DE BOMBILLA"、SOPHIE DUTERTRE と SEUIL JEUNESSE の絵本。ストーリーの文字を含む、木版の力強いタッチと、ものすごくダイナミックで自由な色使いが魅力的です。

SOPHIE DUTERTRE のことは、雑誌に掲載されていた小さな木版画が目にとまって、切り抜いてファイルしてから気になり始めました。フランスの絵本展で見つけた "BOMBILLA EN 1997" のポストカードも、とても素敵な赤が使われています。

チョコレートの右に見えているのは、パブロ・ピカソの“イカロスの墜落”。ガエタン・ピコンの文を岡本太郎が訳した日本語版で、1974年に新潮社から出版されています。古書店で見つけました。

表紙カバーだけでなく、中で展開されるピカソの作品の構成に心を打たれますし、装丁が非常に美しい本です。

本棚の上に並べてあるのは、ふと目に入るたびにワクワクする刺激を受けるかなぁ・・・と思ったから。

銀色のトートバッグ

1ヶ月くらい前に、FREITAG の銀色のトートバッグを買いました。手に持つ、肩に掛ける以外に、バックパックのように背負うことが出来るストラップが付いています。

実はもうひとまわり大きい、光沢のある薄いグレー無地の FREITAG のトートを持っていたのですが、このマットで渋い銀色の質感がたまらなく好きだったので、ついつい2つめを。

ちょっと昔の車の塗装や、ヴィンテージのアルミ製品のような色、少し擦ったような傷、カチッとしたシンプルな形 ―― エレガントではないけれど、ジーンズやTシャツ、スニーカーにはよく合いそうです。そして、背負えるので自転車に乗る時に便利というお店の方のひと言も、説得力がありました。

ライラック

フランスの田舎を旅行している時に見た、ライラック。こんな大きな樹になるんですね。

そう言えば、やはりフランスのペリゴールという街のマルシェで、オレンジ色のプラスティックのバケツに薄紫、赤紫、白のライラックの枝を入れて売っていました。その鮮やかな色の取り合わせにハッとしたことを思い出しました。

堀井和子

堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。

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2018年4月23日 公開

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