第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、深まる秋の色に包まれて。
マリメッコのマイア・イソラが1959年にデザインした "ISOT KIVET" のテーブルクロス。ダイナミックなデザインで、テーブルにこのクロスを掛けるとワクワクしてきます。それでいて、茶色の地にこげ茶色の濃淡の配色は、とても落ち着いた雰囲気。寛いでごはんを食べられるのです。我家では10月、11月頃に使うことが多いクロスです。
こげ茶色の小さいほうろうの鍋は、3年くらい前に代々木公園の黄魚で見つけました。昔、スタイリストをしていた頃、このコプコ社の鍋を撮影用によく借りていましたので、久しぶりに見かけて何だかとても懐かしく感じました。
ルクルーゼの白いほうろう鍋や、ティモ・サルパネヴァの艶がある黒のほうろう鍋は大きいサイズを持っていて、ラタトゥイユや肉の煮込み料理に使っていましたが、2人分のごはんを炊いたり、じゃがいもなどの野菜料理を作る時は、このコプコの鍋がちょうどよいサイズかなと思います。
麻のランチョンマットは野上美喜さんに織っていただいたもので、CLASKA Gallery & Shop "DO" の以前の企画展で販売しました。我家で長年愛用しているうちに、飄々とした表情を見せてくれるように。
こげ茶色の皿は栗田荘平さんの作品で、日本民藝館展の折、5枚組で買い求めました。私はこげ茶色に弱いみたいです。いつもぐっと心を動かされてしまいます。
茶色に黒の線描きの鳥、白い文字が魅力的なラベルに魅かれて最近買った赤ワイン。軽やかで綺麗めな造り、その日の夕食のメニューによく合いました。絵本のようなラベルで、家庭料理を引き立たせてくれる赤ワインを見つけて、嬉しい日になりました。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2018年10月5日 公開
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