堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」連載タイトル

コラージュ・題字:堀井和子

堀井和子さんの
「いいもの、みつけました!」

堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店で開催中の、堀井さんの企画展「Package」。会期残りわずかとなりました。お見逃しなく。

第56回:素麺の木箱/シャンパンとワインの木箱/ラム酒の木箱/マルシェのトレー

素麺の木箱

ジャムやミニチュアのリキュール瓶が入っているのは、古くなった贈答用の素麺の木箱です。実家で父が、家計簿を収納するのに使っていたものを、特別に譲ってもらいました。

上蓋はなくなっていましたが、その板をはめるために溝が付けられていて、長い辺の中央に、板をはずす時指を入れる半円形の穴があるので、透明な板をはめ込んで、高さのあるものの展示に使えるかと思ったのです。薄い板で、頑丈な造りでもないので、ガラスではなく2mm厚さのアクリル板を、出し入れしやすいように上蓋の板のサイズより、ほんの少し小さめにカットしてもらい、組み合わせました。

下手前左はフランスの FOUQUET の CERISES NOIR のジャム、下中央はベージュの紙を掛けたいちじくとクルミのジャム、右はロレーヌ地方のスグリのジャムが入っていたもの。上中央、エシレの木箱に入っているのはイタリアの蜂蜜の瓶、ピカソの絵のラベルにハッとします。上左はペリゴール地方のリキュールの瓶。辛子色とワインレッドの蜜蝋の蓋部分と、黒い紙に手描き字のラベルに、ぐっと心を動かされました。上右はキルシュやラム酒の瓶です。

21cm×30.5cm×9.7cmの素麺の木箱の、素朴な表情は、ちょっと昔のパッケージのコレクションを収めるのにぴったりな気がしています。

今回、Package 展のため、様々なパッケージを見て廻りました。ラフィア仕上げのラム酒の瓶は、文字やロゴが綺麗なワインの木箱を、飾っておくのによいサイズに作り直してもらいました。ワイン専門店でいろいろなデザインの木箱を見るうちに、木箱にはまってしまったようです。次にワインを買う目的でお店を訪ねた時、つい木箱もチェックして、とても大きいサイズの2つを買ってしまいました。

シャンパンとワインの木箱

正方形に近いプロポーションの木箱は、36cm×38cm×14cm。シャンパン3本を収める内部構造になっていて、上蓋は合板ですが、側面は木目と焼印の文字・ロゴが、格調のある凛とした美しさ。このプロポーションを生かして上にガラス板をはめ、高さのあるものを並べて使ってみたいです。

長方形の箱はワインが入っていたもので、33cm×53cm×19cm。やはり木目と焼印が魅力的です。シンプルなデザインですが、このまま眺めていたいなぁと。

ラム酒の瓶を専用木箱に納めたところ

9月の前半の回でラム酒の瓶を紹介しましたが、専用木箱に納めたところを撮りました。焼印の文字が大らかなデザインのパッケージに。

木のトレー

一番後に仕上がってきたのが、マルシェで野菜やフロマージュを並べてあるような木のトレーです。本来は、経木のような薄い木の板をホチキスで留めた簡易な造りだと思いますが、長谷さんにイメージを伝えて、テーブルまわりで使えるトレーを制作してもらいました。ホワイトアッシュの木を使っています。

贈りものを並べるパッケージとして、こんなトレーがあったらという提案です。薄い板を細い釘で留めてあるので、どのくらいの重さまでのせられるかは試していなくて、非売品の展示になっています。

木のトレーとパン

この他、私の手描きの格子柄と今回並ぶアイテムの文字を組み合わせた、紙のランチョンマットも、ハリと艶感がとてもいい具合に仕上がっています。ラッピングペーパーに使っても、印象的かなと思っています。

堀井和子

「Package」展ビジュアル

1丁目ほりい事務所 × CLASKA Gallery & Shop "DO"
Package

[会場]CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店(CLASKA 2F)
[会期]2018年9月8日(土)〜30日(日) 11:00〜19:00
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堀井和子さん プロフィール

1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。

堀井和子さんと作ったものバナー

2018年9月21日 公開

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