第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。淡くまろやかな色合いが、早春の陽光にふんわりと浮かび上がります。
フレームに入れたのは昔、銀座にあったイエナ洋書店の紙袋。墨色の文字の躍動感やかすれ具合が、とても懐かしい。
成井窯の正方形の皿は 17cm×17cm で深さが3cm、底から縁へかけての傾斜がいい具合です。CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店のガラスケースの中で見つけました。
ほんの少しオレンジ色がかったベージュ色が何とも春らしく、蒸したてのプワッと白い花巻(中国の、中に何も入っていない蒸しパン)やおむすび、新じゃがの空揚げ、菜の花と独活の和えもの、カマンベールチーズなど、ふと盛り付けてみたくなります。何を盛ってもおいしそうに見えますね、きっと。
我家でずっと使い続けているフランスの Molin 社の直径 22cm の皿。カフェ・オ・レ・ベージュの色合いとクリームのような釉薬のニュアンスが、おっとり上品な雰囲気です。
朝食の時、ハード系の細長いパンや田舎パン、トーストなどをのせていますが、使い心地が、ふんわり贅沢なところが、気に入っています。春になって、ニュアンスのあるベージュ色と他の色との組み合わせを、あれこれ試したくなりました。
楠のテーブルは、叔父が手作りしてから60年以上になるヴィンテージのもの。年月を経た木目や悪戯書きの跡が、温かいデザインに見えます。椅子もウェグナーのヴィンテージですが、黒い革部分は張り替えてありました。
先月、主人が買った SHOES LIKE POTTERY のキャンバス地のスニーカー。CLASKA Gallery & Shop "DO" 本店の奥の棚に並んでいました。このコクのあるコーヒーベージュ、コーディネイトが楽しくなりそうな色です。底面の颯爽とした水色も印象に残ります。
こちらは福岡県久留米市の老舗「ムーンスター」が作るスニーカーで、パッケージの段ボール箱のデザインもすごくカッコいい。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2019年3月1日 公開
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