第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。色の組み合わせと繋がりにご注目を。
2018年のツリーは、星耕硝子さんのガラスのオーナメント6色の組み合わせです。木村忠太さんのポスターの前にツリーを置いたところ。
10月9日発売の国際文通週間の切手“東海道五拾三次之内 見附”。広重の白と黄と青のデザインを、実際に封筒に貼って出したくなりました。国際文通週間の浮世絵の切手は好きなものが多く、北斎の“富嶽三十六景 隅田川関屋の里”など、額面よりやや高めでも、見つけると買っておいて使っています。
こちらはサンマリノ共和国の“サンマリノの産業”というタイトルの切手。白地に銀色の缶が3つ、文字やマークは山吹色がかった上品な黄色です。マットな銀色の印刷が非常に美しく、(Package展の時、ポスターの紅茶の缶に銀紙を貼って仕上げたこともあって)どうしても欲しくなりました。
日本の切手では、特殊切手「日本の建築シリーズ 第2集の単色シート」、東京タワーと教王護国寺五重塔のバラを見つけました。カラーのものは切手のみで販売されましたが、単色のものは切手帳付きで、切手帳は要らなかったので買うのを諦めたのです。褐色と青色の組み合わせのシートが気に入っていたので、また青色の方のバラ売りを見つけられたらと思います。
第18回オリンピック競技大会記念の50円切手は“駒沢体育館”で、朱色がきりっと印象的なデザインです。40円の“国立代々木競技場”、30円の“日本武道館”も大好きな切手で、これらを貼る時は特別な気持ちになります。
朱色の地の色にハッとしたのが、上野の東京国立博物館で開かれている“マルセル・デュシャンと日本美術”展のリーフレット。デュシャンの作品はアメリカ滞在中にフィラデルフィア美術館で見ましたが、その時は心が動くというより、頭でアートに向き合ったような記憶が。上野の展示を見て、20年くらい前に東京の洋書専門店でこのモチーフの表紙の本をジャケット買いしたことを思い出しました。
そして今回、一番心を奪われたのが、俵屋宗達の“色紙貼付桜山吹図屏風”でした。平日の午前中、館内はひっそり静かで、この6曲1双の屏風の前で身動き出来なくなっても大丈夫でした。私はコラージュ部分も然る事ながら、山桜と山吹の表現、緑と茶の色の美しさがとても新鮮に感じて、今回の展覧会で、この屏風を見る機会を得られて嬉しかったです。
堀井和子
堀井和子さんに、今回のため特別に、コラージュ作品を数点ですが制作していただきました。作品は販売もする予定です。
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「CLASKA のある日常」
[会期]2018年11月20日(火)〜26日(月) 10:30〜19:30
[会場]広島三越 1F イベントスペース
広島県広島市中区胡町5-1
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堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2018年11月16日 公開
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