第1回
コラージュ・題字:堀井和子
堀井和子さんが日々の暮らしや街歩きの中で見つけた、いいもの、美しいものを報告してくださる連載です。今回は、ひとつまみの口福が詰まっています。
銀座の高知県物産館で買った、文旦の果皮砂糖漬(北川村ゆず王国)とアーモンドやクルミを合わせてお茶の時間に。
以前は新宿の宮崎物産館で日向夏ピールを買っていたのですが、最近扱われなくなって、代わりのピールを探していました。
この“土佐ぶんたん”は、酸味と甘さが鮮烈にきいて澄んだ味。白いグラニュー糖をまとった淡い黄色の、極く薄い皮がとても美しい。
CLASKA のマカイバリ菜園のダージリンティーとミックスナッツ&ピールの組み合わせ、今、すごく気に入っています。
四万十栗キャラメルは、コクのあるマロンベージュの箱にこげ茶色の栗のイラストのパッケージに魅かれて手に取りました。実はキャラメルや飴は普段食べることがほとんどないのに、このパッケージデザインは諦めきれませんでした。
半透明の紙に包まれたベージュ色のキャラメルは、小ぶりなサイズと格子の刻み目が何とも懐かしくてかわいい。栗の風味とやわらかな食感のキャラメルです。
金平糖みたいな土佐文旦のクランチピールやゼリーも買ってみました。
県産品を扱う物産館へ行くと、普段見ることがないアイテムにワクワクしてしまいますし、目移りもして困ります。
卵かけご飯用極上宗田節は、10g入りの小さいパッケージ。
炊きたてのご飯に卵を混ぜて宗田節をたっぷり、醤油を少量落としていただいたら、たいそう美味でした。フワッと繊細な削りかたと、香ばしく上品な風味が贅沢な記憶に。
左は土佐ベルガモットSALT。
渋谷ヒカリエで高知のデザインの展示を見て、“土佐ベルガモットプロジェクト”のパンフレットを持ち帰りました。
ベルガモットはアールグレイの香り付けに使われる柑橘類で、果実は苦みが強いので生で食べることはないのだそうです。パンフレットに載っていたスパークリングやコンフィチュール、シュガー・塩を物産館でチェックすることができました。
どんなふうに料理に生かせるか興味を覚えたので、塩を選びました。
土佐和紙に活版印刷で仕上げた原稿用紙(TOSAWASHI PRODUCTS)はヒカリエで購入。和紙の色合い、質感にグレーの格子の線が刻まれた表情に心を奪われます。
左は牧野富太郎さんの植物図“ヒメキリンソウ”のポストカード。
堀井和子
堀井和子さん プロフィール
1954年、東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家としてレシピ本や、自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍、国内外の旅のエッセイなどを多数出版。2010年に「1丁目ほりい事務所」を立ち上げ、CLASKA Gallery & Shop “DO” と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行なっている。
2019年4月19日 公開
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