第47回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第48回は、スタッフが大学生の時にミャンマーに行った際、現地のアンティークショップで購入した布の話です。
大学生の頃、教育環境に恵まれない子どもたちの支援をするNPO団体に所属し、ミャンマーやベトナムに行きました。そのNPOで行っていた支援の一つが、「現地で買い付けた雑貨を販売し、得たお金を寄付する」というものです。
この布は、約18年前に活動の一環で訪れたミャンマーで、買い付けとは関係なく買ったもの。もともとアジアン雑貨に興味があったわけではありませんでしたが、いざ現地でたくさんの雑貨を見ると、ワクワクしてつい手に取ってしまい、今も手元にあるのがこの布です。
シックな色合いや細かいビーズ、印象的な刺繍に一目ぼれして、購入しました。両端がくっついていて、腹巻のような形になっているところも、なんだか不思議で面白いです。もともとはミャンマーの民族衣装のようですが、普段は棚の上に敷いて、花瓶や鏡餅などの季節感のある置物を置いています。
現地の方とは英語がほとんど通じなかったので、会話は予め覚えてきた自己紹介や挨拶程度でしかできませんでした。しかし、身振りや手振り、表情などを使い、お互いわからないなりにわかろうとした結果、ほぼ不便なく意思疎通できたんです。そんな嬉しさを知ることができたのも、NPOで学べてよかったことの一つです。
この布は、ミャンマーで過ごした時間を思い出させてくれるもの。今は3児の母になり、旅行へ行く機会も少なくなりましたが、ミャンマーで現地の人のやさしさに触れたり、歴史や文化を知ったり、子どもたちと交流したりと、その時だからできた思い出がたくさんあります。そんな思い出を時折懐かしみつつも、未来に通じる今をしっかりと見据えて、これからの日々を過ごしていきたいですね。
(CLASKA Gallery & Shop “DO” 湘南T-SITE店 スタッフ 池上綾子)
公開日 2022年4月29日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
*本連載は今回で終了となります。今までご愛読いただき、ありがとうございました。
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