私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第11回は、かつて日本に存在したカメラ・フィルムメーカー「Konica」が、日本でカメラブームを巻き起こしたフィルムカメラの話です。

第11回:一瞬を大切にできるフィルムカメラ

フィルムカメラ

大学2年の時に初めて「写ルンです」を使ってみて、デジタルとは違った、見たことがない質感や色合いに惹かれて、フィルムカメラにハマりました。そこで「写ルンです」のような使い切りカメラではなく、何度も使い続けられるカメラが欲しいと思い、見つけたのが「Konica C35 EF」というカメラです。

通称「ピッカリコニカ」。世界で初めてのストロボ内蔵カメラとして、1974年に発売され、日本でカメラブームを作り出したカメラだそうです。暗いところでも失敗せず、綺麗に撮れるコンパクトカメラとして、広く親しまれました。

フィルムカメラ

レトロでかわいいデザインとは裏腹に、50年ほど前に発売されたとは思えないシャープな写り。でも、フィルム特有の優しい印象も感じられるお気に入りの1台です。重くもなく、どこへでも気楽に持っていけるので、常に持ち歩いて気になったものや人、友達との思い出などを撮っています。

写真って、撮った人自身が面白いぐらい浮かび上がると思うんです。動物、植物、友達、家族、通行人、道路、花。他にもたくさんモチーフがある中で、何を、どのように、なぜ撮るのか。四角形で切り取られた枠組みに、どこまで情報を詰めているのかなど、撮った人の意図や個性がどうしても表れるから面白いです。

フィルムカメラ

フィルムはデジタルと違って何枚も撮れないし、お金もかかります。だからこそ、1枚1枚を大事に撮ろうと思えるし、そういう一瞬を大切にできるところがフィルムカメラの魅力だと思いますね。この先自分がどう生きていくのかはわかりませんが、年を取っておじいさんになっても、写真を好きで撮り続けていたいですし、そうであってほしいなと思います。


(CLASKA 本店アルバイト 黒沢友凱)

公開日 2021年7月30日
写真・文 黒沢友凱