私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第4回はイタリアのフィレンツェで一目惚れしたというベストの話です。

第4回:ワクワクを思い出させてくれるベスト

古着のベスト

4年前、初めて1人で海外旅行に行ったときのことです。イタリアのフィレンツェを観光しつつ歩いていたら、気になるビンテージショップを見つけました。ハイブランドのものばかりだったので冷やかし半分で見ていると「向こうにもっと沢山あるよ!」と、店員さんが近くの倉庫へ案内してくれると言うのです。

変なところに連れていかれたらどうしようと警戒心もありましたが、好奇心には勝てずついていくと、そこには無造作に山積みされた大量の服やバッグが。その中から見つけた掘り出し物がこの古着のベストです。

古着のベスト

玉虫色のグリーン地に淡いピンクのマーガレットの花が織りで描かれています。

この絶妙な色と織柄、生地の雰囲気に一目惚れでした。光沢感はあるけれど大柄の割に派手過ぎず、色も馴染みやすい。また、この生地でベストというアイテムであることも、すごくバランスが良いんです。白のTシャツに羽織ってカジュアルに、ロングスカートと合わせてフォーマルな着こなしにするなど、色々なコーディネートを楽しめます。実際に着てみるとサイズも丁度良くて、本当に出会えてよかったなと思えました。

古着のベスト

この服を見るとこれを見つけたときの高揚感や、旅行のことを思い出すんです。自分にとって初めてのヨーロッパ1人旅。あの時感じたワクワク感は自分が服を作るときにとても大切にしているし、そう感じてもらえるような服をこれからも作りたいですね。


(「CLASKA Gallery & Shop "DO"」 オリジナルアパレルデザイナー 荒井菜穂)

公開日 2021年6月11日
聞き手・写真・文 黒沢友凱