CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第1回は京都にある茶筒の老舗「開化堂」が作るブリキ製パスタ缶の話です。
使い始めてから今年で10年目になります。もともと「いつか欲しい」と思っていたものではあったのですが、自分ではなかなか買うきっかけがありませんでした。そんな時、当時働いていた職場の仲間に結婚祝いは何が欲しいか聞かれて、このパスタ缶をリクエストしました。
このパスタ缶は銅・真鍮・ブリキ、3種類の素材があります。使う人の手の汗の質によってどの素材も変化の仕方が変わってくるそうなのですが、その中でもブリキの経年変化はおもしろいと聞いたのでブリキを選びました。
1人前と2人前の量が計れるパスタメジャーが付いている。
私の場合、自分の手で開け閉めすることに加えて、キッチンのコンロ横を置き場所にしているので、通常よりも過酷な状況にさらしてきたと思います。
はじめはピカピカしていてキッチンの中で若干浮いていましたが、自分のここ10年の生活が少しずつ染み込んで色味や表情が変化したことで、ようやく空間に馴染んできました。
自分の中ではこのパスタ缶って、いい意味で「可もなく不可もない」存在なんです。たまに見て、やっぱいいなって思うぐらいのものが割と手元に残りやすい気がします。5年10年先、このパスタ缶がどういう表情になっているのか今から楽しみですね。
(『OIL MAGAZINE』編集長 落合真林子)
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公開日 2021年5月22日
聞き手・写真・文 黒沢友凱