第42回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第43回は、美大受験をしたスタッフが、受験生の時に使っていたデッサン道具セットの話です。
高校3年生の時、美大に進学するため、美術予備校に通い始めました。美大の入試は大学や学科によって異なりますが、大抵どの学科も素描課題、いわゆる「デッサン」が出るので練習する必要があります。そのために買い集めたものが、このデッサン道具セットです。
3Bから7Hの鉛筆、消しゴム、ガーゼ、
短くなった鉛筆には、色で割り振った補助軸をつけて使っていました。こうすることで鉛筆の硬さが隠れて見えなくなってしまっても、色で硬さの判別がつきます。
私は予備校に通い始めたのが高校3年生と、周りに比べて遅めの入塾でした。さらに、浪人生が多い世界でありながら、家の方針で受験はこの年一回のみ。そんな状況だからこそ、絶対に周りに負けないよう、自分を追い込んでいました。
ケースに貼ってあるシールやメッセージカードは、同じ予備校に通っていた友人、教えてくれた講師の方々からいただいた大切なもの。受験本番は鉛筆などのデッサン道具一式をケースの上に出して、自分の使いやすいように配置しながらカードやシールを見て、自分を鼓舞していました。結果、合格できたので、周りの友人や講師の方々には今でも感謝しています。
あの時一生懸命努力した経験は、今の自分にも生きています。今も趣味で制作をするので、このデッサン道具セットを使うたびにシールやメッセージカードから当時のことを思い出して、優しい気持ちになります。ずっと忘れたくない思い出です。
(CLASKA Gallery & Shop “DO” 日本橋店 スタッフ 小山あきら)
公開日 2022年3月22日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
第42回
第41回
第40回
第39回
第38回
第37回
第36回
第35回
第34回
第33回
第32回
第31回
第30回
第29回
第28回
第27回
第26回
第25回
第24回
第23回
第22回
第21回
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回
第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回