私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第43回は、美大受験をしたスタッフが、受験生の時に使っていたデッサン道具セットの話です。
 

第43回:自分を鼓舞してくれたデッサン道具セット

デッサン

高校3年生の時、美大に進学するため、美術予備校に通い始めました。美大の入試は大学や学科によって異なりますが、大抵どの学科も素描課題、いわゆる「デッサン」が出るので練習する必要があります。そのために買い集めたものが、このデッサン道具セットです。

3Bから7Hの鉛筆、消しゴム、ガーゼ、擦筆さっぴつ、練消し、デスケルなど、どれもデッサンには必要な画材道具。当初は、何を集めればよいのか見当がつかず、講師から言われるがままに買った記憶があります。

デッサン

短くなった鉛筆には、色で割り振った補助軸をつけて使っていました。こうすることで鉛筆の硬さが隠れて見えなくなってしまっても、色で硬さの判別がつきます。

私は予備校に通い始めたのが高校3年生と、周りに比べて遅めの入塾でした。さらに、浪人生が多い世界でありながら、家の方針で受験はこの年一回のみ。そんな状況だからこそ、絶対に周りに負けないよう、自分を追い込んでいました。

デッサン

ケースに貼ってあるシールやメッセージカードは、同じ予備校に通っていた友人、教えてくれた講師の方々からいただいた大切なもの。受験本番は鉛筆などのデッサン道具一式をケースの上に出して、自分の使いやすいように配置しながらカードやシールを見て、自分を鼓舞していました。結果、合格できたので、周りの友人や講師の方々には今でも感謝しています。

あの時一生懸命努力した経験は、今の自分にも生きています。今も趣味で制作をするので、このデッサン道具セットを使うたびにシールやメッセージカードから当時のことを思い出して、優しい気持ちになります。ずっと忘れたくない思い出です。


(CLASKA Gallery & Shop “DO” 日本橋店 スタッフ 小山あきら)

公開日 2022年3月22日
聞き手・写真・文 黒沢友凱

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