第13回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第14回は毎年多摩川の河川敷で上げている、巨大な赤い凧の話です。
多摩川の空に漂う、色とりどりの凧。多摩川沿いに引っ越してきた最初の元旦にこの光景を見て、「これが川沿いの文化か…」と、しみじみ思ったことを覚えています。今まで凧揚げを習慣としてしたことはありませんでしたが、このことをきっかけに「来年は私も凧揚げをするぞ」と、購入を決めたのがこの巨大な赤い凧です。
気づけば今年で3年目。毎年、友人や妹など、誰かしらと一緒に年を越して、昼過ぎぐらいに多摩川で凧揚げをするという流れが、いつしか元日のルーティーンになっていました。もともと探して気に入った青いクジラの凧を買うつもりでしたが、あいにく売り切れてしまって。でも、関連して出てきたこの凧を見て、お正月に赤って縁起が良いし、かわいいなと思って、この凧に決めました。
青空に映える印象的な赤色が、2mほどの大きさと相まってとにかく目立ちます。大きいから飛ばすのが大変なのですが勢いよく走り続けていると、徐々に安定していくと同時に、どんどん注目が集まるんです。ほぼ確実に周りの人に動画を撮られるので、最初は若干恥ずかしかったのですが、みんなと走っているとだんだん楽しさが勝ってきて、気にならなくなりました(笑)。
恥じらいを捨てて、巨大な赤い凧を上げて走り回り、みんなでワイワイしながら1年の始まりを迎える。1年に1回しか使わないけれど、私にとっては大切なイベントを始めるための大事な愛用品です。元日に多摩川で、赤い魚の凧を見つけたら、今年も1年始まったなと、思ってくれる人がいれば嬉しいですね。
実際にあげている様子。
(CLASKA Gallery & Shop "DO" 二子玉川店 店長 篠原奈央佳)
公開日 2021年8月20日
聞き手・写真・文 黒沢友凱