第24回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第25回は、スタッフの地元、島根県にある喫茶店で買ったドイツの家電メーカー、「Braun(ブラウン)」のコーヒーミルの話です。
昔から雑貨が好きで、10代の頃からよく読んでいた雑誌があるんです。オリーブという雑誌なのですが、80〜90年代にかけて雑貨や音楽、映画、ファッションが好きな人たちが読んでいました。このコーヒーミルは、オリーブで実際にスタイリングで使用されていた物で、見つけた瞬間「あ、これは!」と、すぐに気づきました。
まさか、私の地元・島根県にある喫茶店のコーヒー用品売り場で、手に入るとは思いもしなかったです。購入したのはもう20年以上前になりますが、当時はインターネットで気軽に物が買える時代ではなかったので、「地方で憧れの雑誌に載っているものに出会えた!」と、すごく喜んで買いましたね。
このメモリでコーヒー豆の粉の細かさを調整できます。
ただ、正直に言うと機能性はあまりよくないです(笑)。年式の古い物ということもあり、使ってみると音はかなりうるさいし、場所も取る。挽く豆の細かさを調節できるのですが、私の好みでは一番荒いメモリしか使いません。それでも使い続けているのは、スタイリッシュすぎない見た目が好きなのと、愛着があるからでしょうね。
古い物が特別好きなわけではなくて、新しい物も好きです。物って時間が経つにつれて寿命が来たり、断捨離して手放したりするけれど、どうしても自分の生活と共に残っていく物ってあると思います。
気づけば毎朝使っているし、ダイヤルが取れても、自分で瞬間接着剤を使って直すし、もっといいものが売っているのはわかっているけれど、買い替えることはしたくない。私にとっては、このミルがそういう「残っていく物」のひとつなのだと思います。寿命はきっと来るけれど、長く使い続けていきたいですね。
(CLASKA Gallery & Shop “DO” たまプラーザ店 店長 山城真弓)
公開日 2021年11月5日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
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