第14回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第15回は CLASKA スタッフが「丁寧な暮らし」について考えてたどり着いた、アンティーク時計の話です。
CLASKA が生活に寄り添うお店ということもあり、働き始めてから「丁寧な暮らし」について考えるようになりました。その時ふと、自分が「時間」をあまり大切にしていないことに気づいて、毎日ずっと身に着けたいと思える腕時計があれば、意識を変えられるのでは、と思ったんです。
そんな時、たまたま開催されていたアンティーク時計フェアで見つけたのがこの手巻きの時計。秒針の音がとても素敵で、初めて聞いた時、まるで生きているかのように感じて、自分も今日1日を精一杯生きようって思えたんです。それからは毎日つけて、夜8時になると「今日もよく働いたな」ってネジを巻いて1日を終えるのが日課になりました。
文字盤や手巻きの部分にはさりげなく刻印されたブランドシンボル。シンプルながらこだわりのある佇まいが素敵です。
作られたのは70年近く前だとか。この時計が私に巡ってくる前に時間を共にしていたのは一体どんな人だったんだろうと思うと、不思議な気持ちになります。そして、私も同じようにこの時計を未来の誰かに引き継げると思うと、わくわくするし、とてもうれしいです。
だからこそ、時計を直す職人さんたちの技術もこのまま受け継がれてほしいですね。アンティーク時計は3年に1回オーバーホールしてメンテナンスすることで、半永久的に使い続けられます。時代はデジタルに移行しているけれど、職人技術を必要とする人は今後も沢山いるはず。便利さだけではない、昔ながら続いていくものを大切するのも、「丁寧な暮らし」の一つだと、私は思います。
(CLASKA Gallery & Shop "DO" 二子玉川店 副店長 秋山真紀)
公開日 2021年8月27日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
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