第37回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第38回は、スタッフが母からもらった、もとは母が姑から譲り受けた指輪の話です。
10年ほど前のことです。実家に帰った時、母のアクセサリー入れを何気なく開けると、見慣れないダイヤの指輪を見つけました。気になって母に尋ねると、父方の祖母からもらった指輪だそう。大切にはしていましたが、実家で飲食店を営んでいるため、派手な指輪は仕事柄着けられず、特別な機会を除くと、長い間アクセサリー入れにしまったままになっていたようです。
そんな母から「よく使ってくれる人が持っていたほうがおばあちゃんも喜ぶんじゃない?」と、譲り受けたのがこの指輪。それからはずっと、外出する時はいつも着けています。
中心にダイヤが配された、やや大きめの指輪。ダイヤが指輪に埋め込まれたデザインのため、仕事中も衣服や商品に引っかかることなく、安心して着けることができます。キラッと光るダイヤが視界に入ると気持ちが明るくなるので、自然と見てしまいますね。
長年人差し指に着けているうちに、不安な時や緊張した時に、親指で指輪をさする癖ができていました。それだけ愛用している、お守りみたいな存在ですね。
3年前に祖母が亡くなり、この指輪は思いがけず形見になりました。祖母の住まいと実家は割と近く、よく可愛がってもらった思い出がたくさんあります。だから、着け忘れた日は少し落ち込み、“より一層大事にしよう”という思いが増します。物は使われてこそ。これからも毎日大事に着けようと思っています。
(CLASKA Gallery & Shop “DO” 吉祥寺店 スタッフ 岩崎陽子)
公開日 2022年2月18日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
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