私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第31回は、アメリカのCORNING（コーニング）社が売り出した耐熱食器ブランド、「CORNING WARE（コーニングウェア）」のホーロー鍋の話です。

でも実は、一人暮らしを始めた最初の数年間は全く使っていませんでした。ホーロー製なので重いし、普段使いする鍋にはならなかったのですが、ある時ふと「こんな鍋あったな」と思ってスープを作ってみると、不思議といつもより料理が楽しく、そして出来上がりもおいしくなったような気がしたんです。

そう思えたのがとても嬉しくて、それ以降たびたびこの鍋を使うようになりました。ただ、「使う」といっても、主に器として使うことが多く、調理はたくさんの材料が入る軽い鍋で行い、出来上がった料理を小分けにしてこの鍋に入れて食べています。それでも「器や調理器具を変えるだけでここまで食事が楽しくなるのか」と、身に沁みましたね。

この鍋、もともと祖母が使っていたもので、それが母に引き継がれ、今、私のところにあるので、親子3代にわたって50年以上使われてきた物ということになります。そういう目で見ると、節々に見られる傷や黒ずみに歴史を感じますし、「できるならばいつか自分も子どもに引き継いで、親子4代、5代と受けついでいく鍋にしたいな」と思います。


（CLASKA Gallery & Shop “DO” 丸の内店　スタッフ　土屋桃子）