私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第28回は、木彫や木版画、陶作品を手掛けるアーティスト・菅祐子さんの個展で購入した、特徴的な顔を持つ木彫の人形の話です。

第28回:気持ちに寄り添ってくれる人形

木彫の人形

自分の部屋でくつろぐ時間が好きで、ぼんやりと心を落ち着かせたり、音楽を聴いたりして過ごしています。いつからか「自分がゆったりとくつろぐ空間は自分の好きな物で埋めたいな」と思い、好みのオブジェなどを集め始めました。

ある時、数年前から行きたかったアーティスト・菅祐子さんの個展と仕事が休みの日がちょうど重なり、「行くしかない」と足を運んだ先で出会ったのがこの人形です。このちょっとシュールな表情を見て、「あ、いいな、この子だな」と思って買いました。

木彫の人形

手に持った時、材質は木なのに発泡スチロールのように軽くてびっくりしました。好き嫌いがはっきりと分かれそうな表情も、私はとてもかわいいと思っています。見ていると自然と笑みがこぼれて、癒されますね。

顔が描かれている物が好きなのですが、笑顔などの感情がわかりやすい表情よりも、一見よくわからないような表情が好きです。この人形の無表情さが、その時の自分の感情に寄り添ってくれるようで……。一緒に落ち込んでくれたり、笑ってくれたりする気がしてとても気に入っています。

木彫の人形

初めてこの人形を見た時、自分が普段着ている服装と似ているような気がして、「なんだか自分みたいだな」と親近感がわきました。表情も大好きですが、そういうこともあって「おうちに迎えたいな」と思ったのでしょうね。この人形はなくても困らない物かもしれませんが、私にとっては、見ているととてもハッピーになれて癒される愛用品です。これからも楽しいこと、苦しいこと、いろいろなものを共有して一緒に乗り越えていきたいですね。


(CLASKA Gallery & Shop “DO” たまプラーザ店 スタッフ 磯野桂)

公開日 2021年11月26日
聞き手・写真・文 黒沢友凱

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