私の愛用品 〜お守りみたいなもの〜

CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第36回は、スタッフが祖母の家で見つけた赤いチェック柄の傘の話です。
 

第36回:気を引き締めてくれるような傘

傘

老人ホームに入ることになった祖母の家を片付けようと、父親と家の中を整理していた時のことです。ふと目についたその傘にぐいっと興味を惹かれ、祖母が何十年も前から愛用していたものだということを思い出しました。

元気で明るい祖母らしい赤いチェック柄の傘。見た目が可愛いだけでなく、自分ではおそらく買うことがない明るい色の傘だったので、譲り受けたのが今から4年ほど前のこと。以来、雨の日には決まってこの傘をさすようになりました。

傘

標準的な傘に比べて小ぶりなので、小柄な私にはちょうどよい大きさですね。握りやすいグリップと、手首にひっかけておくことで落とす心配もなくなる紐は、使い勝手もよく気に入っています。

この傘は、買い物とおしゃべりが大好きな祖母が、百貨店で販売員さんにおすすめされたもの。購入した理由も、その販売員さんがとてもいい人で、接客がすばらしかったからだそう。

今は画面をタッチするだけで物が買える時代になりましたが、面と向かって話をしながらする買い物にはそれにしかない良さがあると、自分の仕事である接客の大切さを改めて考えさせられました。

傘

私の祖母と同じように、人と話しながら買い物をすることが好きで、お店に足を運んでくれるお客様も沢山いらっしゃいます。丁寧な接客をすることで、買った物をより長く愛用してくださるかもしれない。そんなことを思いながら、お客様に愛されるお店を作っていきたいですね。

この傘は、既に骨組み部分が一本折れて、少しずつガタが来ていますが、時折自分の気を引き締めてくれるような大事なもの。修理に出しながら長く、大切に使っていきたいと思います。 


(CLASKA Gallery & Shop “DO” 吉祥寺店 店長 杉山麻衣子)

公開日 2022年2月4日
聞き手・写真・文 黒沢友凱

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