第43回
CLASKA のスタッフが自身の愛用品の魅力について語るちょっとしたコラム。
第44回は、洋服好きなスタッフが、デザイナーのインタビューを読んで感動して買ったという、「COMME des GARÇONS(コムデギャルソン)」のシャツの話です。
自分が何よりも好きでお金をかけている物、それが洋服です。好きなブランドの一つであるコムデギャルソンは今でこそ好きですが、以前は多くの人が着ているイメージが強く、敬遠していました。ですが、その考えが変わったのが4年ほど前に読んだ、コムデギャルソンのデザイナー・川久保玲さんのインタビューです。
そこでは、服だけではわからない、川久保さんの洋服への思いやシーズンコレクションへのこだわりなどが語られていました。その思いに感銘を受けて、それまでの斜めに見ていたイメージがなくなり購入したのが、こちら。 COMME des GARÇONS HOMME PLUS の黒シャツです。
生地感やフィット性、着た時のシルエットなど、見ただけでは伝わらない、着てみて初めてわかる良さがあります。貝ボタンを使用しているところや、2枚の生地で服をレイヤードしているところなど、シンプルな形を崩さずに、細かいところでこだわりを利かせているのがとてもいいですね。
そんな少し目を引くところがありながらも、普段使いしやすい形と色だから歳を重ねても着続けられる着やすさがある。その絶妙なバランスが気に入り、普段着や仕事着として着用しています。
外のレイヤーと内のレイヤーで丈の長さが違います。
安価で高品質な服が簡単に手に入るようになった今だからこそ、より一層、高価なものにはそれなりの理由があると改めて思います。このシャツで言えば、それは何年も廃れずに着られる質の良さであり、唯一無二のクリエイションであり、そしてそれを0から実現したデザイナーやパタンナーの努力であり、ブランドとしての価値です。
高価だからと言って敬遠するのではなく、その値段になるまでの過程と価値が釣り合うかどうかという視点で服を見るのは、とても楽しいと思います。販売員として自社で取り扱うブランドも、そういったところを意識しながら良さを伝えていきたいです。
(CLASKA Gallery & Shop “DO” 日本橋店 スタッフ 本井 隼平)
公開日 2022年4月1日
聞き手・写真・文 黒沢友凱
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