第1回:今の自分に合うパンツ、知ってますか?
〜「work pants」ができるまで
CLASKA が発信するアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナー藁谷真生が綴る、
服作りにまつわるエピソードや日々のおしゃれにまつわるあれこれを毎週土曜日更新でお届け。
今回は、誰もが一枚は持っている夏の定番アイテム「Tシャツ」のお話です。
梅雨入りする前の束の間の気持ちいい天気。日中の気温もぐんぐん上がってきて、「そろそろTシャツの出番かな?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
さて、突然ですが、みなさんは自分の体形に本当に似合う“MY定番”的なTシャツを持っていますか?
ごくシンプルなアイテムだけに、吟味しなければいけないポイントは沢山。Tシャツほど、自分にしっくりくるカタチに出会うのに時間がかかるアイテムは、そうそう無いと思うのです。
手に取りやすいアイテム&価格帯だけに、意外と失敗してしまうことも多いのではないでしょうか?
私自身、数回着たら部屋着に……という失敗を何度もしてしまっています。
そんなわけで、HAU をスタートする際に「HAU らしい代表的なTシャツを一枚作ろう」と考え、私なりに色々と試行錯誤しました。その過程で特に大事にした点は、
1. 程よいきちんと感
2. 開きすぎず、詰まりすぎずの襟ぐり
3. 袖口のライン
4. 着心地
の4つです。
“程よいきちんと感”を実現するカギは、サイズ感にあります。ポイントは襟ぐりの開き具合。開きすぎると時にだらしなく見えてしまうこともあるので、1枚で着た時も、カーディガンを羽織って着た時も、良い納まり感を感じさせる襟元に仕上げました。
次に袖のデザイン。今回は女性らしさがほんのりと出るフレンチスリーブにしたのですが、袖の下からインナーが見えそうになって気になることがないよう、袖下部分の生地に立ち上がりを持たせています。
最後に着心地。薄手すぎる生地は下着が透けてしまい個人的に苦手なので、薄過ぎず、程よい生地感のあるコットン天竺を使用しました。
あらかじめ製品染めをしてこなれた雰囲気に仕上げていますが、自宅で洗濯していくごとに更に風合いが増し、シワの出方も気にならなくなってきます。
Tシャツの他に、これからの季節に1枚でサラッと着用できるワンピースも作りました。裾周りが広がりすぎず、でも足さばきは楽チン。アクティブな夏の日におすすめです。
色は、グレー、黒の定番色に加え、太陽の下で映えるような、リゾート感のある綺麗なエメラルドも作りました。こんな綺麗な色を大胆に着ることが出来るのも、夏ならではですよね。
シンプルなデザインゆえに、着こなしのバリエーションは無限大。
ストールなどの小物を合わせて、是非自分なりの装いを楽しんでください。
HAU のTシャツが、みなさんにとっての「MY 定番Tシャツ」になりますように!
※完売しました。
Profile
藁谷 真生(わらがい・まお)
エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET」を設立。約5年間活動した後に2018年、CLASKA より「HAU」をスタートさせる。
HAU デザイナー 藁谷真生(身長155cm)が着用
HAU デザイナー 藁谷真生(身長155cm)が着用
<HAUの取扱い店舗に関して>
CLASKA Gallery & Shop "DO" 各店、および全国各地のセレクトショップにて順次展開中。CLASKA ONLINE SHOP でも全ラインナップ展開します。(順次発売予定)
卸販売に関するお問い合わせは以下までお願いいたします。
hau_clothes@claska.com
2019年5月18日 公開
編集:落合真林子(CLASKA)
撮影:速水真理(CLASKA)
第1回:今の自分に合うパンツ、知ってますか?
〜「work pants」ができるまで
第2回:「頼れるカットソー」、持っていますか?
第3回:欲しいのは、「今の気分」を羽織れるコート。
第4回:信頼から生まれる「HAU のかたち」
第5回:頼りにできる「シャツ」さえあれば。
第6回:大人のための「ゆるワンピ」のススメ。
第7回:着ても脱いでも“絵になる”カーディガンって?
第8回:HAU 流、「マリンスタイル」のススメ
第9回:生地から仕立てた、「夏の服」の話。
第10回:手仕事を感じる服づくりの秘密。
第11回:「特別な日」に着たい服は、こんな服。
第12回:ワンピースの魔法。
第13回:「風景」を想像しながら、装いを考えてみる。