第1回:今の自分に合うパンツ、知ってますか?
〜「work pants」ができるまで
CLASKA が発信するアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナー藁谷真生が綴る、
服作りにまつわるエピソードや日々のおしゃれにまつわるあれこれを毎週土曜日更新でお届け。
今回は、一枚持っていると着こなしの幅が広がる“主役級”カーディガンの話。
“カジュアルな装いも、どこか上品にまとめる”。
そんな不思議な力を持っているように感じるから、「カーディガン」というアイテムが大好きです。
シンプルなカットソーにデニムやワークパンツ。そこにサッとカーディガンを合わせる着こなしが、私の定番スタイルの1つ。
特に薄手のニットのカーディガンは、羽織ることで女性らしさがさり気なく出て、メンズライクなボトムを合わせても、全体的に優しい雰囲気にまとまるところが気に入っています。
今回デザインしたカーディガンは、家のリビングの椅子やソファーに置いた時にインテリアの一部として馴染みそうな雰囲気を纏っていることから、名前は「living cardigan」に。
お出かけから戻り、着ていたカーディガンをサッと椅子に引っ掛けて……。そんな日常の風景を思い浮かべながら、デザインしました。
「リビング」というキーワードをデザイン面でも取り入れ、リラックス感のある少しゆったりとしたサイズに。丈の短いカーディガンも好きですが、今回はパンツにもワンピースにも、どちらと合わせてもしっくりくるバランス丈に仕上げました。
さて話は少し逸れますが、冒頭でも触れたようにカーディガンというアイテムは「困った時のカーディガン」とでも言いたくなるような、着こなしを上手くまとめてくれる便利なものです。
でも、一歩違えるとどんな素敵なコーディネートも「普通」あるいは「無難」にまとめてしまう危険性と表裏一体な気がしませんか?
「living cardigan」は、主役をきちんと立てつつも存在感がキラリと光る名脇役のような……そんな佇まいをイメージしてつくりました。
素材は、肌触りの良い綿麻の細番手の糸を使用。フラットな編み方も素敵ですが、軽くて細い糸の特徴を活かし、今回はリブ編みにすることに。
編み地に表情をつけることによって、羽織った時のインナーへのひびきを少しでも減らしたいという思いから、着用した時にピッタリとしすぎない太めのリブ編みに仕上げました。
襟もとから裾にかけては、同じ色の麻100%の糸を使用。
ボタンも同じ麻糸で、一点一点かぎ針編みで仕上げました。
1つのアイテムの中にも少しずつ違う要素のディティールや手仕事を加えることで、シンプルな中にも温かみのある一着に。
程よいリラックス感とさりげない上品さを兼ね備えた、これからの時期にぴったりの“絵になる”カーディガンの完成です!
※完売しました。
Profile
藁谷 真生(わらがい・まお)
エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET」を設立。約5年間活動した後に2018年、CLASKA より「HAU」をスタートさせる。
HAU デザイナー 藁谷真生(身長155cm)が着用
HAU デザイナー 藁谷真生(身長155cm)が着用
<HAUの取扱い店舗に関して>
CLASKA Gallery & Shop "DO" 各店、および全国各地のセレクトショップにて2月より順次展開中。CLASKA ONLINE SHOP でも全ラインナップ展開します。(順次発売予定)
卸販売に関するお問い合わせは以下までお願いいたします。
hau_clothes@claska.com
2019年3月30日 公開
編集:落合真林子(CLASKA)
撮影:速水真理(CLASKA)