第6回：大人のための「ゆるワンピ」のススメ。

ようやく待ち望んでいた春。暖かく、そして安定した穏やかな季節がやってきました。
今年は、桜の開花も例年より早いようですね。

外の気温が暖かくなってくると、日々の服選びがますます楽しくなってきます。そろそろコートの中も、ウールのニットから春らしい服装にチェンジしたくなってきた方も多いのではないでしょうか？

基本的に無地の服が多い私ですが、春夏は着る人も見る人も気分がワクワクするような色や柄の服を、ほんのりとコーディネートに取り入れるスタイルが好きです。

これから始まる大好きな季節のために、着ていて楽しく、そして気分が軽やかになる「プリント柄」のブラウスとワンピースを作りました。

キャメル色の生地に水彩で描いたような、水玉模様のプリント。

とある海外の雑誌を見ていたら、こんな水玉模様がプリントされたベッドリネンの写真が印象に残り、さりげない日常の風景を頭の片隅に描きながらオリジナルのプリント生地を作りました。

素材は薄手のコットンローン。軽やかな素材でありながらも、ギャザーやタックのボリューム感がきちんと残り、ふんわりと柔らかなシルエットをキープしてくれます。

ブラウスは、フリルのスタンドネックでほんのり華やかに。

首元は詰まりすぎず、あえてラフな印象になるように仕上げました。（きっちりと詰まったフリル襟も好きですが、今回はあえて！)　襟もとの裏にはゴムを通し、着脱もしやすい仕様に。左サイドの長めのリボンもポイントになっています。

短いリボンだと「可愛らしい」印象が強くなりがちですが、長めのリボンにするとちょっとシックな印象になるのが不思議です。

ワンピースは、身幅をかなり大きくデザインしました。

生地の落ち感によって生まれる綺麗な“コクーンシルエット”の魔法のおかげで、一枚でさらっと着るだけで綺麗に決まる一着に。

そうそう、このように袖口の広い服を着ていて手を上げた時に、袖口からインナーが見えないか心配になることってありませんか？

このワンピースは、外側から見ると袖口がゆったり見えるものの、裏側のパターン処理で中が見えにくい作りになっているんです！（前々回の連載に登場していただいたパタンナー鉢木利恵さんの技術が光ってます）

ユルくてリラックスしたシルエットの洋服はとても魅力的ですが、締めるべきところは締めたい。本当に細かいところですが、一応大人なのでそんな細やかな配慮も大切にした服づくりをしていきたいと思っています。

ゆったりとしたサイズ感と裏地の優しいコットン素材は、この先の汗ばむ時期にも通気性が良く、とっても快適。

細身のパンツを重ねたカジュアルなコーディネイトはもちろん、清く一枚でさらっと着て、柄を活かす着こなしも素敵です。

※完売しました。