HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
ここ数年、夏になると異様にカラフルな服が着たくなってきます。
南国の人たちが色鮮やかな服を纏っているのも、燦々と降り注ぐ太陽のもと、視界に入る風景が日常的に明るいことで自然とカラフルな服を好むのでしょうかね。
さてさて、最近そんな夏ならではの陽気なマインドとぴったりなアツいお洋服との出会いがあり、久しぶりに衝動買いをしてしまいました。
ギンガムチェックの生地をベースに、パッチワークが効いているこちらの服は“FLUTTER”というブランドのもの。
「身近な材料で作る特別なもの」をコンセプトに、以前勤めていた会社の後輩が立ち上げたブランドです。
同じものは二度とない一点ものの丁寧な手仕事。
そして「身近な材料で作る...」というコンセプトに、もはや民芸に近いものを感じました。(ちょうど美術館の民芸品展を見に行った後のタイミングだったのでさらに心を動かされました。)
彼女の手から生み出される服や小物たち。これからの活動がとても楽しみです!
高密度でありながらも、膨らみのあるコットンリネンで作られたイージーパンツ。
今回は、季節の狭間にちょうど良い、洗いざらしによる自然なシワ感が魅力のパンツをご紹介します。
ウエストはぐるりとゴム仕様にすることで、より履きやすく、動きやすく。
更にワーク感を引き立ててくれる生成りのコットンテープを通すことにより、細かなサイズ調整も叶うようにしました。
色はアイボリーとチャコールの2色展開。
思い返してみると、HAUでは初となるチャコールカラーのパンツ!
もう少し薄いグレーなどは以前作っていましたが、黒でもなくグレーでもない、スミクロのようなチャコールは初めてのこと。
ニュアンスのあるトップスとも相性が良く、なかなか雰囲気のあるオリジナルカラーに仕上がりました。
シルエットは、適度にゆとりのあるストレート。
裾を折って履いた時にもスッキリと見えるよう、裾まわりを少し狭く設定しました。
お家の中でもちょっとしたお出かけにも。
そんな「なんだかちょうど良い!」がぎゅっと詰まったパンツは、できるだけディティールは最小限に。
ワードローブの中でもついつい手が伸びてしまう相棒的なパンツになりそうです。
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◎ easy pants "cotton linen"
◎ knit tops "play"
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes