HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
お盆も過ぎ、いよいよ8月も終わりに近づいてきました。
私の周りでは、今年は遠出の旅行をしている方が多い印象でしたが、
皆さん今年の夏休みはどのように過ごされましたでしょうか?
我が家は昨年に続き、今年も北海道に行ってきました。
旭川からスタートし、東川→美瑛→夕張→江別を巡る旅。途中からはキャンピングカーを走らせ、大自然の中で車中泊をしながら点々と移動しました。
特に印象に残ったのは、普段ではなかなか味わえないとうもろこし畑での収穫体験。
今回は、数年前に東京から夕張に移住した知り合いの家に一泊させてもらい、その流れで仲間の農家さんの畑に連れて行って下さることに。
北海道の野菜は本来収穫されてから東京のスーパーに並ぶのに早くて4. 5日程かかり(産地直送などはもう少し早いかと思います。)、トウモロコシは野菜の中でも特に鮮度が落ちるスピードが早いようです...。
収穫したものをその場で茹でて下さったのですが、一粒一粒の実がプチプチとしていて普段食べているものとは別格の美味しさ!!
旬の味覚をその場で頂く贅沢こそ、今回の旅で一番印象に残った体験でした。
最近では秋口になってもTシャツは欠かせないアイテムですよね。
私にとっての夏のTシャツは生地が薄めでなるべく涼しいものが第一条件。
それとは逆に、季節の狭間に求めるTシャツはカジュアルな中にも少し落ち着いた印象の素材感と佇まいのもの。そんな想いから、秋仕様のTシャツがあっても良いのでは?という思いから、今回の企画が始まりました。
さらっとした肌触りが心地よく、シンプルで程よくゆとりのあるTシャツは、空気を含みながら編みたてた綿100%のミラノリブ。
素材の表情もとても上品で、伸縮性が少なく、長時間着用していても型崩れしないのが特徴です。
この特徴を活かしてデザインはシルエットがきれいに出るボックス型に。
袖はあえて広めにして今の気分をプラス。二の腕が隠れる安心感のある袖丈に仕上げました。
首元の仕様もバインダー仕立てにし、コンパクトにすっきりと。
開きすぎず詰まりすぎないサイズ感にもこだわりました。
生地にしっかりとした肉厚感があるため、ゆとりのあるオーバーサイズでもだらしなく見えないところがこのTシャツの一番のポイントかもしれません。
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◎ t shirts "mila"
◎ pants "slack"
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes