HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
お年頃のお子さんをお持ちの皆さんは、思春期の子育てどうされてますか?
もうすぐ13歳になる我が家の長女はいわゆる思春期真っ只中。中学に入って少し経った頃から、話し方がきつくなったり、話しかけないでオーラ全開の時があったり...。ただ、最近は家族がこの状況に慣れてきたのか、本人も落ち着いてきたのか、思春期第一波は少し収まりつつあるようですが...。
そんな悩めるお年頃だからこそ親としても伝えたいことってたくさんありますよね。ただ、真正面から伝えると角が立ったり、素直に受け入れられなかったりと、伝える側にも工夫が求められます。
そこで、第三者の立場とも言える本の力を借りることにしたのですが、これがお互いの気持ちに余計な負荷がなく今のところ成功! 読んでくれたらラッキー、と思いながら買い貯めていた本をタイミングを見計らいながら渡してみると、意外と素直に読んでくれている様子。(もちろんタイミング次第では完全に受け入れてくれないので、そこはかなりの見極めどころ、汗。最近は、体調不良で学校を休んでいる日に渡すと成功率高めというデータが取れました、笑。)
親からのメッセージとしての本。それを全て読んでくれているかはわかりませんが、娘の視野を広げられたり、彼女が大人になった時にこの本を渡された意味を考えてくれることを想像しながら、しばらくは年齢に沿った良質な本探しを楽しもうと思います。
シャツを羽織るのはカジュアルすぎてちょっと苦手...。でもニットカーディガンだと少し心許ない...。そんな思いから、シャツの延長線上にあるような気軽に羽織れるシャツジャケットを作りました。
一見ナイロンのような撥水性のある表情の生地は、南米やアフリカなどの熱帯雨林に原生する”カポック”という樹木から採れる綿毛が原料の素材。通常の綿の8分の1の軽さと、暑い時には湿気を放出してくれるという、軽量性と通気性を兼ね備えた機能を持ち合わせている生地です。
デザインは、カーディガン感覚を大切に、ボタンを閉じても開けて着てもサマになるVネック。フロントからの見え方はジャケットらしく、袖はカフスやケンボロといったシャツのディティールで仕上げることにより、互いの特徴が詰まったラフに着用出来るシャツジャケットが完成しました。
今回は、ボトムスに pants "painter" のアイボリーを組み合わせて春らしいワントーンコーデを考えました。
まだまだ肌寒い時期には羽織として、暑い時期には紫外線やクーラー対策に。季節の移り変わりの時期に持っていると重宝する一枚は軽量のため、外出中に脱ぎ着しても持ち運びに便利です。
<< 今回紹介したアイテム >>
◎ jacket "kapok"
◎ "lap" knit vest
◎ 3/4 sleeve "organic"
◎ pants "painter"
◎ tops "comfort"
◎ denim pants "tapered" / cotton linen
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes