第1回
身近で素朴な山野草や雑草と呼ばれる草、樹木の美しさを伝える活動をしている榊麻美植物研究所の榊さんから、盆栽と暮らす日常の愉しみを教わります。
立春を過ぎて、日差しはあたたかな春の日差しに変わり、朝晩は冷え込みが続くけれど、霜が降りることはなくなってきました。
植物達も、むくむくと起き始めており、活動の早い子は芽吹き始めています。
この季節の大事な作業は「植え替え」。
植え替えの適期は、地域によって若干の差はあるものの、落葉樹は2月下旬〜3月、常緑樹や草物は3月下旬〜4月と言われています。
植え替えの目的は主に3つ。
植え替えの手順は以下のように行っていきます。
1. 植物を鉢から取り出し、苔がついている場合は一度きれいに取り除く。
2. 根を箸などで優しくしっかりとほぐし 根回りの土も取り去る。
3. ほぐした根の中で、太い根や長い根を短く切り詰め、(※根は植物の体に比例し、上記のような根は徒長枝の成長を促進し樹形を乱します。)根の全体の量が、植え替え前の半分〜3分の1くらいに切り整える。
4. 新しい土に植え替える。植物の体(枝の部分)も、根を切った量に応じて整える。
5. はずした苔を張り直す。
以上の手順により植え替えを行った後、強風(乾燥)を避け管理をしましょう。外してみてあまり根が張っていない場合は、根切りをせずに新しい土を入れ替えましょう。
初めての植え替えの場合、どの程度根を切ったら良いのかなど不安な方もいらっしゃるかと思います。植え替え会等も行っておりますので、気になられる場合はHP等をご確認いただければと思います。
2018年2月17日 公開