HAUのたね

Vol.44 ときめく収納/ふわっと軽いアルパカニット

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


今年もズルズルと長かった半袖の季節。先日ようやく衣替えをしました。
洋服のクローゼット、皆さんはベストな方法で収納出来てますか?

ベストセラーにもなっている「人生がときめく片づけの魔法」。ここにきて社内で話題になったこともあり、最近再び読み始めました。
初めて読んだときはまだ子供が小さい頃で、読む度にこれは私には夢物語でしかない...と途中で諦めてそのままになっていましたが、以前よりも少し余裕が出てきた今。
読み進めるたびに気持ちが前向きに、そして不思議と幸せな感覚になり、まさに魔法!という言葉がぴったりな本ということがわかりました。

“こんまり”と言えば小さく畳んで立てて収納する方法を実践する姿を何度かメディアでもみたことがありますが、機能性だけではない、この畳み方にこだわる意味がやっとわかりました。
それは服に愛情を注ぎ、対話することが需要とのこと。(収納一つにこんなスピリチュアルな思想があるとは!)
毎日身につける大事な洋服を畳むことによって、ハンガーにかけるよりも断然服に触れる回数が増える。そして小さく畳んだ姿に愛おしささえ芽生える。

こんまり先生に敬意を表してこの冬、まずは畳んで立てる収納にリバウンドがないかを検証したいと思います。

色ごとに収納することによって、引き出しを開けた時の見栄えも工夫してみました。

ふわっと軽い、アルパカの糸で作ったクルーネックニット

細くて繊維なファインアルパカと、ウールの混紡糸を編み立てて作ったクルーネックのシンプルなニット。
昨年好評だったこともあり、今季も色を変えて作った自信作です。

一見モヘアにも見えますが、モヘアよりも毛並みが短く、柔らかさの中にも型崩れしにくいという特徴を持つアルパカのニット。
目指したのはモヘアほどファンシーではなく、女性らしさに偏りすぎない中性的な雰囲気のふんわりとしたニットです。(毛並みの長いニットは少し苦手ですが、ふわふわは好きです。) 

細くて繊細な糸は一歩間違えると貧弱にも見えてしまうのですが、そう見えないよう、たくさんの糸から選び抜き、試編を重ねてたどり着いた先に理想のニットが実現しました。

今回は、上下白の組み合わせにソックスで差し色を加えた、冬が待ち遠しくなるコーディネートを考えました。
ニットのインナーには、透け防止と、襟元のアクセントにと、真っ白なインナー tops "frais" を。
足元はエメラルドのウールソックスと白のレザーシューズでキリッと。

軽くて温かいのはもちろん、片畦編みという一見リブのような伸縮性のある編み地のため着心地も抜群です。
多少透け感のある素材のため、今回ご提案し多様に、中に長袖や七部袖のインナーを合わせて着用下さい。

パンツは今季の新作 pants "puff" のアイボリーを。

ニットはホワイトとブラウンの2色展開です。

白を基調としたコーディネートに靴下のエメラルドが良く映えます。

<< 今回紹介したアイテム >>
knit tops "fine alpaca" / 2024AW
tops "frais"
pants "puff"

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes


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