HAUのたね

Vol.34 野草のリース/憧れのリネンチェックワンピース

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


色鮮やかな新緑に満ち溢れる初夏の季節。
お天気に恵まれた今年のゴールデンウィーク、皆さまはどのように過ごされましたか?

私は友人を家に招いたり、このタイミングで冬物のニットを洗って洋服の整理をしたり。特に大きな移動はせずにほぼ自宅中心に過ごしていましたが、最終日は以前から気になっていたお花屋さんへリース作りのワークショップに出掛けてきました。

いわゆる生花店で販売されているような整った草花ではなく、植物本来の力で育ってきた草花を中心に揃えているお花屋さん。いわゆる市場にはなかなか並ぶことのない野草に着目し、その生命力を活かして作ったリースは枯れるというより、”朽ちていく様 “も楽しめるようです。

しばらくはリビングに吊るして動きを楽しみ、ドライになってきたら玄関のドアに。今までハードルを高く感じていたリース作りですが、これを機に、気軽に暮らしに取り入れられたらと思います。

所々に飛び出しているのは小麦やイネなど。 フレッシュなグリーンだけで作ったリースは眺めているだけで元気が出ます。

着るだけで気持ちが浄化するフレッシュなワンピース

初夏に相応しい、レモンイエローとブルーのチェックが印象の爽やかなワンピース。

今季のメインビジュアルでもご紹介しているこちらのワンピースは、これから訪れる暑い夏、着る人も周りの人も気持ちがスーッと、涼しく整うイメージで作った特別な一着です。

デザインは、発売以来好評を頂いていた one piece "needle" のベースはそのままに、今年は襟もとに小さな襟をちょこんとあしらい変化を加えたもの。
シルエットは裾に向かって緩やかにすぼまりのある自然なコクーン型がちょっぴり個性的です。
丈は長めで多少ボリューム感はありますが、ノースリーブで上半身がすっきりとしているので小柄な方でもバランスよく着ることができます。

今回は、ビジュアルカタログでスタイリストの伊東朋恵さんがご提案くださった knit vest "cotton vintage" のサックスを上に重ねてみました。(私自身も思いつかなかったこの組み合わせは目からウロコでした!)

一枚ではもちろん、ベストを重ねれば柄が前面に出ることなく、一枚で着たときとはまた違った印象で楽しむことができる優れもの。その他カーディガンやパンツなど、この時期ならではの重ね着を是非お楽しみ下さい。

ベストの裾に入ったスリットが、ワンピースのシルエットをきれいに見せてくれます。

knit cardigan "suvin" のアイボリーを重ねて。通気性の良いサラリとしたニットカーディガンとも相性抜群です。

スタイリストさんが提案して下さった組み合わせに思わずハッと!新たな発見でした。

<< 今回紹介したアイテム >>
one piece "jug"
knit vest "cotton vintage"
knit cardigan "suvin"


*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes


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