HAUのたね

Vol.55 未来いそっぷ/ドルマンスリーブのカットソー

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


春休み真っ只中。
部活に属していない14歳の長女は家で過ごす時間も羨ましいほどたっぷり。

先日はあまりに見るアニメや映画もなくなったのか、「ベニスに死す」を観たと、塾の送迎の車中でぼそり。(おそらく主人公の男の子があまりの美青年だからと予測...)
淡々としたイタリア映画はその当時、ファッション的な観点からしか観た記憶がなかったけれど、娘の会話からこの映画の内容が青年と老作曲家の儚いストーリーということを初めて知る。

そんないわゆる時間を持て余しているな彼女に何かオススメの本はないかと、社内のスタッフに相談したところ、「星新一なんか良いんじゃない?」という有益なアドバイスを。
早速家に帰って本棚を見ると、ありました! ”未来いそっぷ”。

これを早速長女の目のつくリビングあたりにさりげなく置いておくと...まさかの8歳次女が反応。
ウサギとカメや、オオカミがきた、など昔から親しまれている寓話を元に星新一さん流のパロディが愉快な本は、確かに小さな子の方が惹きつけられる内容なのかなと、まさかの音読スタート。

長女にはあまり響かなかった星新一さんの作品ですが、改めて次女とこの独特のSFの世界をしばらく楽しむことになりそうです。

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これを機に久々に就寝時の読み聞かせを再開。 一つ一つのストーリーが短く完結するところも読みやすくて◎

1枚で決まる!個性的なカットソー

シャリッとした肌触りが心地良い薄手のコットン天竺で、コーディネートの主役になるようなドルマンスリーブのトップスを作りました。

シンプルなトップスも良いけれど、たまにはこんな遊び心のあるデザインのカットソーがあると手持ちの服もまた新鮮に。
1枚でも!そしてサロペットのインナーとしても着たい!と考えながらデザインしたのが今回のカットソーです。

袖肩回りはゆったりと。
襟元は詰まり過ぎない程度のハイネックにし、重ね着の必要のない1枚で決まる首元の仕様を心掛けました。

今回は、easy pants "nylon" と組み合わせた同系色の爽やかなコーディネートをご紹介。
シャリっとしたコットン生地と、スポーティーなナイロン素材の相性がとても良く、薄手で通気性も良いため、春から夏にかけてと長い時期着用できるのも嬉しいポイントです。

次女曰く、鳥になれそうな服だね〜とのこと。(おそらく羽のような袖を見て、かな笑!?)

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上下を寒色系でまとめ、ピンクのバッグをポイントに◎

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色はブルーの他に、ホワイト、ブラックの3色展開。

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着用したときのふわっとした袖のシルエットが魅力です。

<< 今回紹介したアイテム >>
high neck tops "dolman"
easy pants "nylon"

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes


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