
HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
あっという間に3月も残りわずか。
三寒四温というだけあって、雪が降る日もあれば日中は半袖でも良いくらいの温かさの日もあり、春の訪れを肌で感じる毎日です。
その一方で、体調管理も油断できないのがこの季節。
朝晩の気温差にも対応しやすい調節の効く軽めのアウターや、気持ちが上向きになるデザインなど、店頭にはすでに春物の新作が着々と入荷しているところです。
今期のテーマは "COOL ROOM" 。
とにかく年々暑さが増していく日本の夏。
「冷んやりとした部屋に入った瞬間の幸福感。冷たいアイスクリームを口にした時の満たされた気持ち」を色や素材で表現した、涼しさの中にもほんのりと甘さを感じるコレクションになりました。
初めて挑戦したシャイニーな生地。
フリルやギャザーといった一見ファンシーなディティールも、HAUらしくさっぱりと取り入れてみた今回の新作。
(甘くなる一歩手前のデザインが自分でも得意分野かなと思っています!)
是非お店やオンラインショップを覗いてみて下さいね。
ビジュアルカタログの撮影で訪れたアイスクリーム屋さん。 ブラウニーとストロベリーアイスのマリアージュが最高でした◎
ケープのようなデザインがパッと目を引く、春らしい華やかなブラウスが出来上がりました。
フリルなどの甘い要素のデザインは、ここしばらく積極的にワードローブには取り入れてこなかったのですが、年齢的なものなのか、不思議とシンプル一辺倒だと毎日の装いにメリハリがなく、多少インパクトのあるデザインにもここ最近は惹かれるようになってきました。
当初は長袖にしようと思っていたブラウスですが、重ね着次第で着まわしの効くノースリーブに。
今の時期は袖のあるインナーを合わせてベストのように。
夏になったら1枚で。
肌寒い時にはカーディガンを羽織ったりと、何通りもの着方ができるのもノースリーブブラウスの良さかなと思います。
素材は、適度に張り感と光沢感のある綿ブロード。
今では希少なシャトル織機で丁寧に織り上げたもので、自然な膨らみ感のある表情が、ふんわりとしたボリュームのある襟もとのデザインをより引き立ててくれています。
襟もとのケープのギャザーはご自身のバランスや好みに合わせて共布のリボンで調整可能。
ノースリーブのデザインですが、大きなケープがやさしく包み込んでくれるので、肩を出すのに不安を感じる方でも安心して着用いただけます。
今の時期は長袖のインナー、 tops "circle"を合わせてベストのように。
温かみのあるアイボリーと、ニュアンスのあるセージグレーの2色展開です。
アイボリーには白のインナーを。グレーには黒のインナーがおすすめ◎
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◎ blouse "cape"
◎ tops "circle"
◎ denim pants "tapered" / black
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
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