HAUのたね

Vol.51 祖母の手編みのブランケット/念願のブラックデニム

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


暦上では着実に春にむかっているものの、一年で一番寒さを感じる2月。
そこで、家の中で過ごすあったかアイテムとして欠かせないのがブランケットです。

かつて個人で服を作っていたときのブランド名にするくらい私にとっては特別なアイテムの一つ。
(タネをあかすと、昔からブランケットをよく贈り物でもらっていたというのがブランドの由来。今考えると、2月生まれだからかなと...。)

写真のブランケットは、長女が誕生したときに、私の祖母が編んでくれたもの。
祖母は自分で着るニットは大抵編んでしまうほどの大の編み物好きで、私も小さな頃、祖母に編んでもらったニットの数々は今でもよく覚えています。

そして感心してしまうのが、着なくなったニットをしばらく経ってから糸をほどいて一度洗い、天日で乾かしてまた次に編むための糸として保存しておくという姿勢。
このブランケットも、祖母の服から生まれ変わったというストーリー付きなので、使うたびになんだか愛おしさをを感じてしまいます。

ものを大事にする時代を生き抜いてきた祖母だからこそ、新しい息を吹きかけて蘇る美しさを、この一枚のブランケットを通して学ばせてもらった気がします。

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ガラス面の多い我が家のマンションにひざ掛けアイテムは必須。 リビングの椅子には各々お気に入りのブランケットがかかっています。

念願のブラックデニムがついにかたちになりました!

定番の denim pants "tapered" にブラックが仲間入りしました。

インディゴよりも少し落ち着いた雰囲気で履けるデニムが欲しいという思いから、試行錯誤を繰り返し、程よく色落ち加工を施した念願のブラックデニムが完成。
デザインはインディゴと同じパターンを使用しているので、これまで HAU のデニムを愛用してくださっている方でもイメージしやすく、安心して着用いただけます。

股上がやや深めで腰回りはあえてゆったりとした、9部丈程のテーパードタイプ。
脇のラインも裾に向かってややカーブを付け、少しはずしの効いたシルエットに仕上げました。
インディゴデニムが白のステッチに対し、ブラックの方はあえてステッチが目立たないよう、同色系の糸を用いて落ち着いた雰囲気に。

今回は、新作のカットソー tops "circle" を合わせて、春が待ち遠しくなるような優しいピンク色をメインにしたコーディネートをご提案。
足元はトップスとのバランスを考えて、コントラストが馴染みやすくなるベージュのハイカットスニーカーを選びました。

ピンクのトップスには今までベージュなどの明るいボトムを合わせることが多かったのですが、今季は引き締め効果も高いブラックデニムを。
キリっとしながらも大人の可愛いさを兼ね備えた、新しい色の組み合わせに挑戦したいと思います。

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トップスは、ピンクのほかにホワイトとチャコールをご用意◎

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裾を少し折ってこなれた雰囲気に。 お好みのバランスでお楽しみ下さい。

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デザイナー(身長155cm)着用サイズは36 size になります。 小柄な方でも少し余裕をもって履きたい方は38 size がおすすめです。

<< 今回紹介したアイテム >>
denim pants "tapered" / black
tops "circle"
MOONSTAR / ALWEATHER RF / ベージュ

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes


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