HAUのたね

Vol.49 新年の書き初め/スモッキング刺繍のブラックワンピース

写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume


新年あけましておめでとうございます。
皆さん、今年のお正月はどのように過ごされましたか?

我が家は夫婦ともに田舎がないため、近くに住む互いの実家に親戚一同が集まって一日ずつ過ごし、残りのお休みは家族だけで、というのが毎年のお決まりパターン。
ということで毎年3日目に初詣に行くのですが、今年は町田市にある簗田寺というお寺にお参りに行きました。

そこのお寺は珍しく敷地内にカフェがあるのですが、中に入ってみると「書き初めやってみませんか?!」の店主の一言。
書き初めなんて、子供の冬休みの宿題や学校の廊下くらいでしか最近目にすることもなかったのですが、いざ半紙と筆を目の前にすると、「何書く?」「四時熟語にしようかな!」と大人も子供も徐々にやる気モードに。

まずは次女が「自由自在」 一つ一つの漢字は簡素ながらも良い言葉だな〜と我が子ながら感心してしまいました。
次に夫はというと「現状維持」 ?? とても現実的な4字熟語?! に慎重で真面目な夫らしい年頭の言葉が表現されました、笑。
「儚い」という言葉が好きなちょっと変わった長女は「泡沫夢幻」を。
最後に私は「笑う門には福きたる」 小学生でも知っているシンプルなことわざですが、この言葉って真意だなと思ってます。

今年も自分と家族が笑顔でいられることをモットーに、皆様に喜んで頂ける服を色々とかたちにしていきたいなと思っています。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

HAUのたね

この冬はスキースタイルにはまっている次女。日常的にスキーウェアのつなぎを愛用中。

軽やかに纏うブラックワンピース

家族や友人とのちょっとした集まりに。
これからやってくる卒業入学のオケージョンシーンに。
きちんと感がありながらも普段の自分らしさも忘れない、そんなワンピースがあると便利ですよね。

ちょうど2年前の小学校の卒業式。
世間一般的なオケージョンスタイルにとらわれない、ギャザーがたっぷりと入ったブラックワンピースを軽やかに纏っている同級生のお母さん。
自由な空気を感じる彼女の姿がとても印象的で、私の中でのオケージョン スタイルの幅が広がった瞬間でもありました。

そんなきっかけから、今シーズンは日常にも、オケージョンにも、どちらのシーンにもスッと溶け込みやすいワンピースを作りたいと思い、かたちにしたのが one piece "french knot" / black 。

ポイントは、ツヤ感のある素材ながらも手仕事の温かみをプラスしたところ。
たっぷりとした袖にハンドのスモッキング刺繍を施し、襟元にはさりげなくフレンチノット刺繍を入れました。
首回りはやや開きのある作りになっているため、インナーを重ねての着用がオススメ。

今回はこのワンピースに合わせて白いタートルネックのインナーを合わせてみましたが、黒のインナーだとよりシックに、クルーネックのインナーだとちょっと大人っぽく。

重ね着次第で様々な雰囲気を楽しめるブラックワンピースは、身長次第では細身のパンツを重ねても素敵です。

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重ねるもの次第で様々な印象を楽しめるワンピース。 ジャケットを羽織ればよりきちんとしたスタイルに◎

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襟元と袖に施したハンド刺繍は同色でさりげなく。

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生地を贅沢に使ったたっぷりとしたデザインとサイズ感は、 一枚で存在感のある装いに◎

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one piece "french knot" / black
turtleneck "buton"

*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。


Profile
藁谷真生 Mao Waragai

デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes


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