暮らしの中にある名品の、知られざる良さを掘り下げていく名品図鑑。毎月一品公開。
写真：本多康司 文・編集：島田奈津子
麻
の絨毯に、犬が優しく佇むマット ── 新潟で活躍するユニット F/style （エフスタイル）の代表作だ。
マットの特徴は、何よりもその肌触り。 夏はシャリッと快適、冬は空気を取り込んで温もりを感じられる麻は、いつも踏みしめていたくなる心地よさ。 犬部分のウールは麻に比べて毛足が長いため、目をつぶっていても、足裏で犬のかたちを感じられるのも、魅力だ。 天然の麻とウールを素材に、手仕事で1目ずつ織り上げられたマットは、毛羽が出にくく耐久性にも優れている。
その誕生は、F/styleの二人の学生時代に遡る。 「企業と学生が共同で商品を開発する」ワークショップで、二人は穂積繊維工業の社長に出会う。 “絨毯といえばウール” だった当時、社長が「麻とウールを使ったマットを作れないか」と提案。 そこには、自社の “麻の絨毯を作る技術” を活用したいとの思いがあった。
そこで二人は、 “麻を絨毯のベースにし、ウールでデザインした犬を立体的に浮かび上がらせたマット” を企画。 何度もパターンをひいて作った型に、職人の技術が加わり、念願のマットが誕生した。 当時はそこで終わってしまったが、後年、二人が F/style を立ち上げ、現在のマットへとつながっていく。
F/style のモットーは、「製造以外で商品が流通するまでに必要なことはすべてやってみる」こと。 穂積繊維工業の職人の技術に、F/styleならではのアイデアが加わってできたマットは、その原点ともいえる名品だ。
⇒ F/style ： 五十嵐恵美さんと星野若菜さんの二人が2001年に創業。生まれ育った新潟をはじめとする近県の伝統産業と積極的に関わりながら、暮らしの中で活躍する商品を提案し、販路を開拓、産業を継続させる活動をしている。
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F/style | HOUSE doggy mat S / ブラック
16,500円
素材：植物繊維（黄麻）、ウール
製造：日本
サイズ：縦50×横68cm
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