暮らしの中にある名品の、知られざる良さを掘り下げていく名品図鑑。毎月一品公開。
写真:本多康司 文・編集:島田奈津子
安 定感のある太いステム、美しく切子の施された口もと。 静かな存在感を放つのは、ガラス作家の辻和美さんと、100年以上の歴史を誇る木村硝子店が手がける zoomer+(ズーマープラス)のグラス。
辻和美さんの名前を聞いたことのある人は多いはずだが、人気作家ゆえ、なかなかそのアイテムを手に入れるのは難しい。 そんな辻さんが、「もう少し多くの方に持っていただきたい」と、長年親交のあった木村硝子店とともに作ったのが、こちらのzoomer+のシリーズだ。
三年越しでできたのは、辻さん自身の工場では量産できなかったステムグラス。 どっしりとした太いステム(脚)は、ステム初心者にも優しい仕上がりだ。
工場での生産とはいえ、手作りの占める割合が大きい。 厚みのあるガラスは、辻さんが宙吹きで作ったサンプルを元に、工場で生産できるようにした型が原型。 その型にガラスを流し込み、東京下町の硝子工場で、職人が回しながら吹いて成形。 商品名になっている“ギザギザ”、“ヒラヒラ” の切子も、熟練の切子職人のなせる技だ。
グラスを入手したら…。
まず、お気に入りの場所に置いてみたい。 繊細で美しいグラスは、まるで絵画を見ているような、静謐な気持ちにさせてくれる。
つぎに、何かを注いでみる。 ワインはもちろん、水、お茶、ジュース … どんなものを注いでも、美味しさを押し上げてくれる。
さらに、ヨーグルト、フルーツ、アイスクリーム、おつまみ … と、飲みもの以外のさまざまなものを入れてみる。 どんなものも、グラスの中で、静かに、美しく、楽しそうに見えてくる。
「ステムが日常にあると少し生活がステキになる」という辻さんの思いが、 グラスとともに、やってくる。
⇒ zoomer+ : ガラス作家・辻和美さんと木村硝子店のコラボレーションで生まれたグラスシリーズ。辻和美さんは、「factory zoomer」にて暮らしを底辺から応援するグラスを制作。木村硝子店は、手作りの繊細さとオリジナリティの高いモダンなデザインにこだわり、グラスを制作している。
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zoomer+ | グラス Long (gizagiza / hirahira)
各 8,470円
素材:ソーダガラス
製造:日本
サイズ:直径6.8×高さ12.5cm 容量170ml
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アイテムは下記より
⇒ グラス Long / gizagiza
⇒ グラス Long / hirahira