
堀井和子さんの「いいもの、好きなもの」
第18回:“モビールと・・・” 展のギャラリーから/ガーメントダイのブルーのTシャツ
写真・文:堀井和子
“モビールと・・・” 展初日は、冷たい雨模様でしたが、ギャラリー内の光がグレイッシュで、モビールが綺麗に見えました。
“暮らしのなかの風景を想像してもらうテーブル” 用にクロスが必要ということで、当日の朝抱えていったのが、鈴木マサルさんのテーブルクロス。
濃紺とダークグレーの幾何柄のクロスは、写真を撮ると、いつも上にのせたものが際立って、きりっと写るなぁと思っていました。
中間色や細い線、ストライプ柄だと、針金やガラスが見えにくかったりしますが、このクロスは、モビールの土台に使ったガラスボードにプリントした柄や文字もちゃんとわかります。
iii+ka の作品のガラスボードが、モビールで活躍していることをちょっと誇らしく感じました。
フランスの写真は、それぞれの題材や色に、フレームのグレーがよく合っています。
ギャラリーのスタッフの方が、10枚の並べかた、レイアウトを工夫してくださったので、モビール作品と馴染んだ雰囲気に。
クルクル巻きに極く細い針金でオーナメントを吊り下げたモビールは、針金が糸のようにフワフワ揺れる様子が優しい。
写真を撮ったら、ガラス棚や窓の向こうのビルが、モノクロームの背景になって写っていました。
吊り下げ型のモビール。
フロマージュの文字は大文字と小文字、サイズを変えてバランスをとっています。
ギャラリーの空調で向きを変え、光った文字がクローズアップされるようで面白いです。
10年近く前の企画展で積木にペイントした時、色を塗ったピースをいくつかとってありました。
最初、モビールの土台にどうかと思ったのですが、土台はアルミと針金、ガラスで構成することに。
そこで長谷泉さんが、アルミのフレームを制作して、針金で大中小の円形ピースをレイアウトしてくれました。
青の裏は白木、白の裏は赤、白木の裏は黄色。
表と裏の色が違っていて、両方向から楽しめるモビールに仕上がりました。
ギャラリーの天井から吊り下げてあるのですが、やはり自然にゆっくり廻って両面のデザインにハッとしますし、角度によって変化する影もカッコいいです。
会場右奥には、 SEPT SEPTIÈME の春夏アイテムを少し展示してあります。
色を選んで製品染めしたTシャツやスカート、バッグなど、ONLINE SHOP で紹介、販売していますが、実際の色のニュアンスやサイズ感を確かめていただけたらと思いました。
例えばガーメントダイショートスリーブTシャツ / ブルー、私も自分の持っているアイテムとのコーディネイトを、ああでもない、こうでもないと試行錯誤を重ねています。
このブルーのTシャツは、下に白いTシャツを重ねて、洗いざらして色が褪めたデニムと合わせると、面白くてビビッドな色を、すっと纏えそうです。
新しくMサイズが加わった Tシャツ / 勉強机 は、袖を巻き上げたり、フロントをインしたりすると、ぴったりサイズとは別の着こなしができて何だか嬉しい。
Profile
堀井和子 Kazuko Horii
東京生まれ。料理スタイリスト・粉料理研究家として、レシピ本や自宅のインテリアや雑貨などをテーマにした書籍や旅のエッセイなどを多数出版。2010年から「1丁目ほりい事務所」名義でものづくりに取り組み、CLASKA Gallery & Shop "DO" と共同で企画展の開催やオリジナル商品のデザイン制作も行う。
CLASKA ONLINE SHOP でのこれまでの連載
> 堀井和子さんの「いいもの」のファイル (*CLASKA発のWEBマガジン「OIL MAGAZINE」リンクします)
> 堀井和子さんの「いいもの、みつけました!」
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