世界中から民芸品を集めたチャールズ&レイ・イームズの自邸「イームズハウス」に並んでいたこけし。それは宮城県の鎌田文市という工人によるものでした。
その孫にあたる鎌田孝志さんが作る弥治郎系のこけしがこちらです。
短めの鬢髪(びんぱつ)と、文市さんのこけしの一番の特徴であった大きな目は現在もなお引き継がれています。
イームズ好みの弥治郎系こけし
大熊健郎
『PAPERSKY』#31「JAPAN CLUB」より
「こけし」と聞いて思い浮かべるのはどことなく寂しくおどろおどろしい世界。だからつい「ああこけしね。なんか不気味で好きじゃない」なんて言ってシャットアウト。こけしそのものではなく「こけしというイメージ」だけで済ませてしまう。
アメリカのミッドセンチュリーデザインを牽引したイームズやジラルドといったデザイナーは大の民芸好きで、彼らの自宅や工房には世界中から集められた民芸品が魅力的に並んでいた。イームズのコレクションには東北地方のこけしも並んでいた。
彼らのモノ選びに驚きや発見があり、新鮮さを感じるのは彼らがイメージや概念にとらわれず自由にモノそのものを見て選んでいるから。海外の雑誌などで日本の工芸品が斬新でお洒落にコーディネートされているのを見かけるのもそういうこと。センスも大切だけどまずはモノそのものを見つめる練習から始めよう。
写真はイームズの自邸にあったこけしを当時の作者の孫である宮城県の鎌田孝志さんに復元してもらったもの。こけしの世界では弥治郎系と呼ばれるタイプ。かわいい!
大熊健郎
『PAPERSKY』#31「JAPAN CLUB」より
こちらの赤と紫の2色がございます。
ご購入の前に
一体一体手作りのため、表情に若干の個体差がございます。