HAUのたね
写真・文:藁谷真生(HAU デザイナー) イラスト・挿絵:natsume
先日、夫と二人で丹沢山の麓にある標高1000m以下の小さな山に登ってきました。トレッキングだと物足りない、でも標高が高いと時間もかかって疲れてさらには次の日に響く...という展開がオチなので、今回は自分たちの体力にあった山を慎重に選ぶことから始まりました。
子供達はお留守番させていくため、(ついてくる気配なし...)早朝に出て昼過ぎには帰って来れる往復3時間くらいの小さな山。近くに美味しいお昼ご飯が食べられるお店があるところ。などなど、事前に条件を揃えて探した甲斐あってか、今回初めて山登りが楽しいと思えたことには驚きでした。
さらに快適な山登りをサポートしてくれたのが、初めて使ってみた山で使えるGPSアプリ。これが道に迷わず自分が今どこにいるかも教えてくれるので、頂上までの距離も時間もわかってとっても便利。自分の立ち位置がわかるってこんなにも安心で目標までのモチベーションに繋がるんだ!と、山登りを通じてこんな思いがけない発見もありました。
木から降り注ぐキラキラとした木漏れ日を感じたり、思わずカモフラージュ化しているカエルを踏んづけてしまいそうになったりと、ハラハラとしながらも自然の醍醐味を満喫できた一日でした。
ちょっと肌寒い日から真冬を超えて春先まで。着こなし次第で主役にも脇役にもなる、軽やかであたたかな中綿ベストを作りました。 何かと重宝する冬のベストですが、一般的によく見る中綿やダウンベストは機能性に偏っているデザインのものが多く、普段のスタイルに馴染むものがなかなか少ないことが今回のベスト作りのきっかけでした。
シンプルで大人っぽく、普段の装いにスッと馴染むもの。表地はあまりカジュアルになりすぎないよう、光沢の少ない綿100%の生地を採用。中綿は、イタリアミラノを拠点とする機能中綿素材メーカーの老舗、サーモア社の“EvoDown” 。 80グラムと薄手ながらもダウンのようなあたたかさで、真冬にはコートに重ねてインナーベストとしても着用頂けます。
首元はすっきりとおさまりの良いハイネックで、袖はフレンチスリーブなところがポイント。開閉は内側にあるボタン1つだけというシンプルさで、ワンピースやスカートなど、 下にボリュームのあるボトムスを合わせることをイメージして自由度の効く仕様にしました。
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◎ inner warm vest "cloud"
◎ lap one piece "quilt"
◎ tops "boa"
◎ turtleneck "washable wool"(SOLD OUT)
*商品名を掲載しているアイテム以外は、すべて私物です。
Profile
藁谷真生 Mao Waragai
デザイナー。1981年、東京生まれ。エスモード・ジャポンを卒業後、アパレルメーカーにて約8年にわたり数ブランドのデザインを担当。2011年、自身のブランド「BLANKET(ブランケット)」を設立。2019年より、CLASKA発のアパレルブランド「HAU(ハウ)」のデザイナーを務める。コンセプトは「大人のための日常着」。「HAU」は、ポリネシア諸語のひとつであるマオリ語で、「風、呼吸、生命力」などを意味する言葉。
Instagram @hau_clothes
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